第四回 音源ビートマニア
IliceにしろR3嬢にしろ音楽以外の趣味はなんと言ってもゲーム。その中でクラブミュージックを扱うビートマニアをやるのはほぼ必然ともいえた。今回はそんなゲームビートマニアの音について語ろうと思います。
現在ゲーセンなどで見られる筐体は三種類(正確にはミニがあるので四種類)。だが今回は初代は数に入れない。なぜならば筐体についてるエフェクターは名ばかりのボタン一個で特に残響音出して音聞くくらいしか使い道ないためだ。連射してリバーブに似せるとかもできるが更に芸がないしあんまりそれほどでもない・・・。
それでは次のビートマニアIIDX。DXと言うだけあって派手に光る筐体、ワイドなモニター、七つの鍵盤、BOSEのスピーカー、五種類のエフェクトとスライダー、多岐に渡るジャンルなど徹底した作りと共に高い難易度は初心者に間口を広げているとはいえ、一見さんお断りの空気が漂う。今回は別に思い入れの曲とかではなく五種類のエフェクトとスライダーに焦点を当てて見よう。
筐体前方についてる二つのボタンは上がエフェクトのON-OFF、下がエフェクトの変更(VEFXボタン)となっていて、KEY CONFIG、ECOW、SURRUOND1、2、3とかわるのだが、だれもエフェクトONにしてVEFXボタンを四回押してあとはアナザー変更用にしか使ってないようだ。気を取り直して・・・KEY CONFIGはスライダーの左VEFXキーと密接に関係しており、スライダーをうごかすと全体のピッチをコントロールできる。6THでBPM変更でピッチアップした「THE SAFARI」などの音程を戻す(微妙に戻らないが・・・)などのほか、曲のディフォルメ化と使いどころは面白い。ECOWは名の如くエコーをだせる、幸いにもクラシカルな曲が多数あるのでその辺で使うとホールを出せて面白いだろう。SURRUOND1はシャープな音のエフェクトだ、このシリーズでは実に多いユーロ系のキンキンのシンセ音に非常に合う。無論トランスもじつにしっくりくる。SURRUOND2はどちらかというとドライな機械的なエフェクトがする。当然テクノと相性がよい。3RD MIXの名曲COLD PULUSSはこのエフェクトだと広がりが違うのが実感できるはずだ。そしてSURRUOND3、非常にウエットなエフェクトであり性質上バックの音が聞こえやすいのでたいていの人はこれ以外使う機会はないのが現実。実際のところはボーカル物全般に非常に合うことになる。
次にスライダーはどう使うかというと、左からVEFX、low-EQ、hi-EQ、back、playとなっている。VEFXはふれたがlow-EQ、hi-EQ、は文字どうり高音と低音のイコライザーでリアルタイムに音をいじれる。back、playはバック音とプレイ音のボリュームのスライダーでCS版にもついている。たいていの人は全て上にあげてプレイしているが音が割れるだけだ!少し太い線のところがいいパフォーマンスをほこるのでおすすめといえる。
では踏まえたうえでプレイ中の曲をいじってみよう。曲は5thの“REAL”を使ってみよう。太いドラム&ベースとうねる上物シンセがイカス高速ドラムンベースだ。正直好きな人もおおいだろう。まずはエフェクトをSURRUOND2にしてlow-EQ、playをいっぱいにしてほかは太線にスライダーをあわせる。こうすることにより自分の叩くリズムが「ズッタン、タタン」と重く響くようになりこれだけでも感じは違う。しばらくすると止まったようにブレイクになる。ここはこちらもエフェクトを外す。するとはげしいリズムがなくなる錯覚がある、正に動から静である。さらにまたリズムがはいるので呼応してECOWをかける、徐々に響き渡るリズムにエコーをかけるのは禁断ともいえる最高の組み合わせだ。そしてこの曲がゲーム的にも面白くなる後半のシンセ打ちではhi-EQのスライダーをあげplayを一段下げbackをあげつつSURRUOND3にする。よくいるプレイヤーの形状に近くなったが音が聞こえるというところでトリにもってくるのは盛り上げの大原則だ。
と、IIDXでやるのは正直なところ非常に面倒くさいです。そういったいみでもビートマニアIIIは足でエフェクトかけたりダイヤルコントローラーありだし、場所指定もできるしいたれりつくせり。私はR3嬢にプレイをまかせエフェクターばかりいじくっている。なお詳しい説明はコナミのサイトで珍しく詳細にかかれているので参照するとよいでしょう。
ではIIIでのエフェクトの例を、曲は6thmixの“FIRE”を使おう。UKのアーティストPING PONGの盛り上がり系トランスだがちょい短いのが残念でもある。導入はPlay音にかるくオートパンをかけて浮遊感を出すと同時にトラックには軽くディストーションをかけたり外したりすると存在感が増す。さらに次の階段フレーズは思い切り盛り上げていくのでフランジャーを少しずつあげていきスクラッチのあたりでサッと切る!そしてメインのサビではエコーとリバーブの同時がけでガンガンにいきたい。ラスではどちらかを切りさらにフランジャーをかけてしめる。
と、またまたムリくさいがヘッドホン端子から音取れたりするのでエフェクトに専念すればまだできなくはないだろう。(それでも即興でやるにはエフェクターの仕組みの理解が必要)
また家庭用でやるのも一つの手だが、完全移植といえどスライダーはついていない・・・そういう場合は本物のミキサーやエフェクターをPS2と接続することで解決するが、そこまでできる機材までつかうのはとても手軽とはいえない。ちなみにやってみたが・・・確かに面白いがPS2のちかくにツマミだらけの機材おくのはどうにもバタくさかった。
といったようにゲームをやるうえでは全く関係ないところに触れましたが、見せるプレイヤーは多いし感嘆に値しますが、今回のように魅せるプレイヤーは少ないのも事実。ビートマニアでエフェクト・・・ 直感的な音作りは身近なところにあります。
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