第十六回 SONY Atrac CD Walkman D-NE900

 




 今回は外出のお供の携帯オーディオプレイヤーの新型と考察をみていこう。もう携帯オーディオプレイヤーはコレで何代目だろうか?覚えてる限りだとカセットテープ用を2台、FM付きを一台、CD型を2台、MD型を2台、携帯電話付属を経てコレに来た。正確に言うと「ATRAC3Plus/ATRAC3対応MP3CDウォークマン」という。元々MD向けのフォーマットで合ったATRAC3を進化させたATRAC3Plusを聞けるようにしたものだ。まずはそんなSONY Atrac CD Walkman D-NE900の使用感を見て行こう。

 では外見からみていこう。同機能の物が三タイプ出ており大きく違うのはその外観であった。コレは中間タイプで下の物のD-NE800は外装がプラスチックで安っぽく、上の物のD-NE10は更に薄型であるがアルミニウムとマグネシウムで作られているので高級感があった。しかしながら本体に液晶がなく曲検索が大変そうなのでこちらにした。
 最近の流行から当然充電器はクレードル式になったいる。なかなか透明でしゃれたデザインだが全面プラスチックで少々安っぽい。それでもしっかり固定しているのでクレードルに差したまま操作できるのは嬉しい。本体には液晶パネルとキーがついておりコレで操作する。正直操作感はそんなに良くなく、ジョグダイヤルにより曲選択が出来るのが唯一いいところかもしれない。センターコントーロールバーを動かすのだが割りと微妙な感度でメニューが呼び出しにくい…さらにはミス操作一発で最初からやり直しなのもストレス溜まる。特にオリジナルの音場を作るのに大苦戦した。せめて他のボタンも使うか、終わる前に一回聞いて欲しい所だ。また一応リモコンでも全て操作できるのが所詮はリモコンそんなことに使おうと思ってはいけない!考えてみると本体パネルのついてないD-NE10はリモコンで全てやらないといけないので危ない所であった…。電池はガム型電池で充電後は結構持つ。一応5時間連続で使ったが全く切れる気配はなかったので長距離移動にもいい感じだ。外部バッテリーは単三電池で取り付け式だ。円形フォルムのせいでつけるとデザインが野暮ったくなるし、第一かさばるので一考の余地があると思う。さて、肝心の聞けるフォーマットだがまずは音楽CDは普通通り聞けるし焼いた物も普通に聞けた。なおかつCDRWに焼いた音楽CDも聴けたりするのは面白かった、普通のプレイヤーでは普通読めないので一旦作ったMIXのチェックにも使えそうだ。MP3はちゃんとフォルダごとに読み込んでくれるのでカテゴリに併せて使えるのは嬉しいことだ。但しネーム順なので好みの順に読み込みたいときは「1-○○」「2-○○」とフォルダ名つけるといい。ビットレートは16〜320Kbps、サンプリングレートは32/44.1/48のどれでもOKみたいだが、推奨は「128kbps」「44.1kHz」となっている(まぁ、これ以上にこだわるなら音楽CDにしたほうが手っ取り早いと思う…(どうせ聞けるんだし)。そしてATRAC3Plus/ATRAC3は同梱のソフトでやることになる。画像は用意していないが左の目的ファイルを右にエンコードして焼くことになる単純な物、しかしコレが一枚のCDにとにかく入る!音質も通常でもそんなに悪くないのでこれは嬉しい!!大体70分の音楽CD一枚が通常音質で40MB、高音質で150MB、無論音質は混在できるので半々で入れても8枚分くらい入ってしまう!よって作ってみたのがDDRのCDが2ND〜EXTに2000とパーティーコレクション合わせた二枚組み18枚が全て入るという快挙!約24時間DDRを堪能できる!またトランス&ハードハウスのMIXCDを音質混ぜて8枚、約11時間堪能できる!作る時間も一枚1時間程度なのでこの作った二枚で大分聞き倒せるのではなかろうか?ただ、ソフト自体結構粗があるのは痛い。まずはなんといってもエンコード元のファイルがドライブ内のCDもしくはMP3ファイルに限られること。つまりWAVやWMAファイルは受け付けないのは痛い!大体の音楽データをその方式で保存している私には元ファイルをMP3にエンコードしないといけないのでぶっちゃけ二度手間。この辺は互換性を考えないSONYらしいといえばSONYらしい。次に作ったCDをPCで聞けるようにするソフトが同梱されてないのも首をひねらざるをえない。更におかしいのがCD作成中のプロジェクトが途中保存できないのはどうだろうか?先ほど書いたように一時間はかかるのでその間一気にやれというのも酷な話だ。私的には作った限りは問題ないが作る過程が問題!この辺をどう捉えるかでやっぱり評価は変わってくると思う。「終わりよければ全てよし」の考えでいないと火傷するソフトといえる。

 さて、今までの携帯プレイヤーとはまた違ったスタンスの物であることがわかっていただけただろうか?こうみると携帯プレイヤーも実に群雄割拠!且つ古い物も市場から消えていないので果たしてどれがいいのかは一長一短が出てきたのも事実。私の個人的使用感を出していこう。私的に見るのは聞くまでのプロセス、メディアの利便性、使用感といったところ参考にしていただければ幸いだ。
 まずは基本のカセットテープ式、もう最近は市場が縮小しているが10年ほど前は当然メイン。本体の値段は今も昔もそんなに高くなく、カセットテープも安い。だが、テープを作るには労力がいる…作っているとA面途中で曲が途切れたりするので、ストップウォッチで時間計ったり、フェード入れたりと今やただただ面倒くさい。またハード、テープどちらも結構壊れ易いのも難点だ。テープがヘッドに絡みついたり、モーターが半分壊れるなど終わり際も人それぞれだった。聞くにしても曲間にしっかりブランク空けないと頭だし出来ない。そのためノンストップ作ると頭出しにとっても苦労する。今考えれば不便だらけだが、実は振り回しても音が飛ばないという利点を忘れてはいけない。実際の所CD、MDは軽いゆれで音は飛ぶので、そのためなかなか廃れなかったのだ。また、それにラジオがついたものも見逃せない着目点だった。テープ部分は重なるが実際テープ部壊れたけどチューナーは生きてて使い続けたことがあった。携帯電話と違ってラジオは聞く分には無料なので若干の投資なら一考の価値はあると思う。ただやっぱり携帯同様ラジオは電波が悪いと聞けないので実際は授業中くらいしか使ったことはない(おい!)。実際ラジオだけならバカ安なので、今思えば別々に買ったほうが良かったような…。
 続いてCD式、CDウォークマンも今や安く手に入る時代だ。最大の利点は店で買ったCDをすぐに聞けること。またCDRの登場によりオリジナルのCDを作れることから後発のMDの価値が少し下がったため今だに現役だ。ただ、マイナスポイントも多々ある。まずはCDの大きさから12CM以下に小型化が出来ないことにある。今こそ随分小さくなったが初期に買ったものは結構な大きさで、今だとPCの外付けハードディスクに近い物がある。そして何故か一番壊れ易い…最短で2ヶ月で昇天している。もちろん、先述のMP3対応もこのカテゴリの延長になるといえるだろう。オリジナルCD制作の利便性は一気に増すが、ハードの値段が目に見えて高くなる。そして何よりパソコンがないと全く買う意味がないのにも注目!実際今回レビューしたものも結構要求スペックが高い(PIII600MHz以上)ので余分な投資が強いられる可能性がある。
 そしてMD式、MDも一気にテープを乗っ取ったデバイスだ。一面取りなのでノンストップで取れるしテープより小さく取り回しやすいのも便利、そのため本体は結構小さくなるのも大きな利点だ。そしてオリジナルのMDを作った後でもディバイドなどの加工が出来るのも最大の特色だ。他にも曲名が入れられるのもMDが先駆けだった。ここ数年で収録時間が大幅に増えたMDLP、PCに接続して曲を作れるNetMDと発展してきたので割と面白いのだが買うタイミングが難しい。再生用だけでもちょっと高いのに付加機能が付く度高くなり極めると同額でテクニクスのタンテが買える…。またどうしてもMDは作らないといけないのも忘れてはいけないポイント。カセットテープ市場は席巻したがCDを超えられなかったのはここに理由があるのだ。関係ないがCDチェンジャーは便利だがMDチェンジャーは意味ないと思う…。
 最後にMP3プレイヤー、内蔵メモリもしくはメモリーカードに録音して聞く。最後発ながらいつでも注目されている。その理由はその大きさ!他のプレイヤーとは別格の小ささを誇る。最小物だと下手なプレイヤーのリモコンよりも小さい。且ついくら振った所でまず音飛びすることがないのも評価すべき所だ。そしてドライブ式ではなくカードリーダ式なので耐久力があるのも見逃せない。しかし、実際の所利点も多いが難点も多い。なんといってもメディアの使い回しが効かないのは最大の難点!内蔵メモリだと本体の曲を取り直すため過去の物が残らないのは寂しい。メモリーカード買うにしても32MBにしても¥2000するので三枚使いまわすにしてもどうしても高くついてしまう。ライブラリを作るにしてもMP3をつくるにしてもPC環境は必須なのでやっぱりお金がかかる。ipodなどのハードディスクタイプもここのカテゴリに当てはまる。やはりハードディスクなので容量は他の追随を許さない!2000曲なんて荒業も出来る。大きさもPCカードほどなのでMDより大きくCDよりは小さい。ただしその分耐久性は下がり、価格は最高値になる。最後に比較表を作ってみた。(なお、価格は¥15000を「普通」、メディア価格は¥500を「普通」としている)

  テープ式CD式CD&MP3式MD式MP3式HDD式
価格最安安い普通普通〜高い普通〜高い高い〜
メディア価格安い最安最安安い高い最高(物による)
容量(最大)60分×280分700MBまで300分512MB(物による)20GB(物による)
大きさ小〜中最小〜小
耐久性高い弱い弱い普通最高普通
音飛び強い最弱最弱弱い皆無普通
種類少ない普通少ない多い最多少ない
PC環境不要あると便利必須不要〜あると便利あると便利〜必須必須
作成の手間面倒なし〜楽なし〜普通割と面倒普通

 こんな感じで正に多種多様…価格や詳しい性能比較などはネットショップ等を見てみるといいと思う。他にも電池の持ちや使用頻度などの要素を考慮すべきだろう。本音を言うと二、三個買わないと自分に合うのはわからないと思う…。
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