第十八回 東芝dynabook AX1

 




 今回は会社より貸与されたノートパソコン東芝dynabook AX1について見ていこう。東芝dynabookの春モデルシリーズではエントリー向けであり余分な機能はとことん省き必要十分な機能が集約されている。もっとも遊び用に貸与してくれるような会社なんてのはこの世の中には皆無なのであるが…だが実際のところかなり遊べる位のスペックと利便性があるのでその辺をふまえて見ていこう。
 スペックはCPU、Celeron2.4。メモリ256MB(増設して512MBうち16MBグラフィック割り当て)HDD40GB、DVD&CDRW搭載と初めて組んだPCよりも戦力ある!実際XPも十分さくさく動くしデスクトップで入れてる大体のアプリも動く。チップセット含めインテルの鉄板構成なので不都合も少ないのだが、無理するとハングアップしてブルースクリーンになることもあるので気をつけたい。もっともハングするのは決まって無理して入れたソフトなので元から入っているソフトに関しては全く問題なく動いている。メーカー製PCの性といえばそれまでかもしれない。後、不満だったのはHDDのパーティションが分けられていないところ。どうしても自身が自作派のためある程度データ隔離とかしないとトラブルが怖いのだ。結局パーティション分けるためには再インストールするか、専門ソフト使わないといけないのがつらい。
 続いてインターフェイスに目を向けてみよう。ディスプレイは14.1で1024X768の解像度までサポートしている。発色も落ち着いており個人的にはデスクトップで使っているディスプレイより見やすいくらいだ。長時間モニタを見てても疲れにくいのは仕事用としてもっとも評価できる。しかしディスプレイ周りが安っぽく所によってはへこへこしている所もあるように感じる。もしかするとボディ剛性に難があるかもしれない。もっとも三ヶ月ほど持ち歩いているがモニタが抜けたりするようなことは起こってないので杞憂かもしれない。続いて良いのはキーボード。パンタグラフ式のキーはキーピッチも広く押し心地も文句ない!カーソルキーも独立しておりデスクトップ用のキーボードより使いやすいくらいだ。そして注目すべきはその静音性。向かって左下に排熱口があるのだがファンがいつでも起動しているのではなく定期的かCPUに負荷がかかった時にファンが起動するので全体的にかなり静音だ。仕組みとしては底面全体をヒートシンクとして使っていると思われ底面はほのかに熱い、よってよく見る膝に乗っけて作業も低音火傷しそうで少し怖い。また排熱口を埋めてしまうとあっさり熱暴走することもあるので絶対に排熱口を防いではいけない。レガシーフリーの波を濃く受け継いでおり、無駄な機能を省いているのも気に入った点。FDDも外付けになっていて、シリアルポートもなし、ただUSBポートは3ポート以上あると嬉しかった。マウスを挿してプリンタを挿すともう何も挿せない…エクセルだとどうしてもテンキー使うことが多いのでもう1ポートあるとすっきりして嬉しかった。余談だが最近テンキーにUSBハブのついている超マストなアイテム見つけたのだが、当EURO-HEADにおいて鬼門とされるS社の製品で買いあぐねている…。PCカードスロットは左下に一箇所装備している。最近では出先の通信で無線モデムを貸し出されたりするのでたまに使うが、アンテナ付だったりすると、どうしても右下だと左手にひっかかったりするのでちょっとウザい…。スピーカーは結構カッコよくついているが音は正直ショボい…もっともノートのスピーカーに期待するほうが間違えている。普通に曲聴いたりDVD見る程度なら十分だし、そんなに求めるのなら外部に音出せばいいだけだ。バッテリーは最大二時間となっているが実際は1時間半持てば良いくらい。早いときで一時間でバッテリー切れになった。もっとも出先に電源があるときはこの限りではないのであまり気にしなくていいのかもしれない。そして、実際のところノートにしては結構重い。持ち運びには12インチレコードの入るバッグを使っているがPCとそれに付随するもの入れるとレコード20枚より重いと思う。しかしレコードとは違いさすがに精密機器、あんまり揺らさないように歩かないといけないのでこれはこれで結構疲れる。
 このノートは私が使う分には正直満足している。ただしあくまでメインのPCではなく、サブもしくは仕事用としての評価だ。最近のノートはビデオ録画とかDVD-R標準で装備していたりもするが、メインPCで出来る私には全く魅力を感じない。本当の所録画をしないなら書き込み型DVDはその価値の9割は用をなさない。つまりはそんなに大きなファイルはめったに扱わない…むしろメインPCで録ったDVDをノートで見られるだけで十分だ。そういった意味でも一台目にするには物足りないPCだと思う。

 実際の所は普通のビジネス用ノートであんまり面白みはないのだが、必要十分なスペックは「モバイルスタジオ」の構築を可能としてくれた!今回はソフトにAbluton「LIVE3.0」、MIDIコントローラーにEVOLUTION「UC-33C」を使い構築してみた。EVOLUTION「UC-33C」はフェーダー、ノブの128段階MIDIコントローラーを合わせて33個、ON、OFF型のMIDIボタンを14個装備したMIDIコントローラーでフィジカルコントローラーはついていないので実際スタジオワーク向けではなくパラーメータ管理向け。私も元はDAWミキサー用にと買って見たのだがフィジカル性がないのであまり役に立たなかったがLIVEで使ったら相性抜群の組み合わせだった。XPならドライバのインストールも不要で使いやすい。最近では同社よりノブだけの物やキーボードと一体になったものまで種類も出ているのでACID、フルーティループなどでワンランク上の操作性が欲しい人には面白いデバイスだ。
 LIVEは過去にレビューしたが3.0と進化を遂げ劇的に使いやすくなった。明らかにDJユーズに絞った新エフェクト「EQ-Three」が嬉しい。これはまんま強力なアイソレータとして使え、DJミキサーのイコライザの機能と同等のことが出来る。更にエフェクト扱いでボリュームやパンを弄れる「ULITY」、そしてクロスフェーダを含めたこれらのパラメーターを「UC-33C」にアサインすることによって4〜8CHのDJミキサーへと変貌する。実際使ってみると恐ろしいほどやり易い!今回のようにMIDIコントローラーでやるとそのまんま実際のミキサーにテクニックをフィードバックできるのでちょっとした練習になる。まずはアンドゥー、リドゥーが可能でやり直しが聞く点。PCなら当たり前だが最高の強み!納得いくまでやり直せる。次にビートマッチが波形を見れるので神業的に!リハーサルやるまでもなく波形が見えるのでぴったりあわせれば良いだけ、アナログにマジックで印つける必要はない。しかもLIVE3.0よりクリップの分割だけでなく結合も可能となり、更にクリップ自体も細かにゲイン、パン、ビートなどの加工が出来るのでMIX部分だけ分けてミキシング、その後ひとつのトラックにしたり出来るので実践理論さえ知っていれば恐ろしく簡単だ。同じ曲を別トラックに出力すれば二枚使いも、いとも簡単に出来てしまう。ハードディスクからも非破壊編集で元のデータはしっかり残るから自在に持ち出して遊べる。今回はメインPCに落としたデータをDVD-RWに焼き、ノートのHDDに落として使ったがポータブルHDD等あれば更に面白いことが出来そうだ。オーディオデバイス自体はMME準拠のもののため無理するともたつくのは仕方はない。4トラックでは問題なく動作したが、同時に発音が多くなるにつれもたつきだして使い物にならなくなってきてしまった。もっともDJミックスやるにはそれだけあれば十分なのでこういう風に使う分には問題ないだろう。
 こうなるとノートとUC-33C、曲ストック用の外付けHDDでもあれば十分にクラブでプレイできるのではなかろうか?特に最近ノートの可能性を大きく広げたサウンドカード「INDIGO」などを使えば十分にいけそうな気がするのだが…。
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