第二十二回 Pentium D + Intel 945自作PC

 




 今回は最近作った新型PCについて。自作は私もかなり久々で、かなり世界が変わっているのを実感した。ペンティアムDのマシンを自作するのだが、基本的な作り方はパソコン誌では旬の記事なのでそちらで参考していただきたい。今回当方の問題は流用したケースだ。三年前のケースはどれほど使えるのかをメインに見ていこう。

 まずケースは「KEIAN1000A」、元々のスペックは電源300W、8cmフロントファン一個にリアファンを二個追加したもの。電源はソケット478時代の基本モデル。ノースウッドのペンティアム4でも実はギリギリだったりしたので、当然発電が違う今のPCには利用できない。接続ケーブル自体もシリアルATAハードディスクは接続できないし、何よりマザーボード電源が対応していないので当然お払い箱。最優先で変えるほかない。
新たに搭載した電源は「EVER GREEN "SILENT KING-4 450W"」大型のファンを搭載し、デュアルコアの対応を前面に押し出したモデルだ。動作音も非常に静かだが、唯一弱点は内部ケーブルが長いこと…このケースのミドルタワークラスではとぐろ巻いてしまう。元々サーバータワーでも対応しているからなのでこれはしょうがない。最終的には上の図のようにベイに隠したり巧く纏めたい。纏めることによりエアフローがよくなるのだ。尚、購入金額¥6980…左写真のようにセットすると、CPUファンの熱気を吸い上げて排熱してくれる。加えてケースファンで排熱をする算段だ。実際はグラフィックボードの熱も逃がさなければならず、コレだけでは足りない感じもしたので、元からあるケースファンも稼動している。CPUの周りに手をいれるとかなりひんやりとする。それだけ排気はうまく言っていることだ。
 続いての問題は吸気である。このケースは最近のIntel推奨であるパッシブダクトが搭載されていないのだ。さすがにケースに穴空けるほどの加工道具はないため、その分本気でエアフローを考えないといけない。当然吸気口は前面にあるので、そこを加工だ!元々このケースには8cmのファンがあるが、ここは静音性と排気ファンとのバランスを考え12cmに換装した。ちょうどファンコントローラーも付いているものを¥1280で購入。ケース自体は12cm用の穴が開いているので、全てを分解して換装した。 具合としては最低回転でも最高回転でもケース内の温度はそう変わらず、25℃〜27℃。今が冬だからだと思うので季節によって回転数変えるのが一番だろう。もっとも一番のポイントはケースのリファインに大体¥8000ちょいかかってる…この値段ならもう少し足せば対応ケースが買える…。それよりもドスパラで¥9000でいい感じのケースが売っていたのでかえってそれ買ったほうが早いという事実もある。ケースに思い入れがなければ、スパッと切り替えるべきだろう。

 そして組み立てて起動。思ったほどリテールファンの音は目立たなくていい感じだ。パッシブダクトがない分遮音されているのだろう。CPUの平均温度はアイドル時で55℃程度、高負荷時で70℃行くか行かないかというところ。クリスタルマーク、3DMark、FFベンチマークも5回連続でも問題なく完走したし、画像エンコードも問題なく出来た。
   さて、今回はケースの不安もあり質実剛健のインテル製マザーボードを選んだのだが…流石の安定性だが、余分なものは一切ない!ギガバイトやMSIなどのマザーなら付いているブランケットもない…ポートも十分余っているのに使えないのも厳しい…。そうなるとパーツ屋で仕入れるほかない。こちらはUSB2.0が2ポートとIEEE1394を2ポートを増設できるブランケットだ。昔はバラ線を挿していたが、今は規格が統一されて指定の所に挿すだけだ。他にも、今更ギガビットイーサネットに対応していなかったのでそれも付け足した。もっとも家庭内ネットワークでもそこまで早さが変わった気がしないのも事実…この辺もまだまだ検証の余地ありそうだ。また、コードが増えるとエアフローが阻害される可能性があるので、うまく束ねるなどして気をつけたい。当方も更にはスマートケーブルを使ったり5インチベイの中に隠したりして一番苦労した。しかし何回見てもまだまだ改善の余地はありそうで空けるたびにタイをはずして変えたりもしている…。まぁこの苦労が楽しいといえば楽しいので気にしすぎてもいけないだろう。

 最後にPentium Dの戦力はというと…正直大満足!!一番解るのは画像の編集と映像の編集。特にCMカットではPentium D対応ソフト、ペガシスの「MPEG Editor」の快適さに感動した。体験版を使いその操作性から即刻買ってきた。また巷で言われるようにエンコードは高性能なので、これから作るなら面白い構成だ。音楽制作でもCubaseが対応したのでようやくクリエイターベースでもMacにも劣らなくなってきたといえる。来年以降のMacのインテル対応を見越しても先物買いではないパーツだろう。

 追記。

 最後の欲求を満たしてくれたのがこちら「ZALMAN FB123」。PCIブランケットを利用して大型ファンをCPUクーラーの前にマウントできるというもの。ファンは静音モードのも対応しているので動作音はかなり静か。斜めに固定することにより、ノースブリッジのヒートシンクとグラフィックボードの裏面にも風が当っている。吸気した空気を真ん中に集めた流れになる。温度が劇的に下がるというより、ピーク時でも安定するようになった。
合計7つのファンが入っているがそれでも昔より音が小さいのが不思議だ…ファンの性能も、ここ五年で上がっているのだろう。





戻る