Ilice's Review (4)
Always
artist:Scott Mac & Simon Eve
label:Recover World
今回はScott Mac & Simon EveのAlwaysをご紹介。レコードを買うとき、当然気に入った物だけでは後々構成など組めない。色々なジャンルやスタイルを買ってこそ生きてくる。そんなレーベルRecover
Worldは色々なサブレーベルを持ち、そのジャンルも多岐にわたる。そのため、こういったレーベルはパーティやる場合にも独特の味を出す!!Tidyなど考えていただければそれもわかるだろう。今回のもトランスではあるが音は渋めで、主役にはなりえないが構成には外せない一曲だ。では早速MIXを見ていこう。
まずはOriginal Mix。オープニングは風の音に、シンコペーションとヴォーカルが絡む幻想的なものだ。そこに重いキックが入ってくる…これはいきなりフロアを支配できる強さと優しさを持つ音だ!曲自体もそんなに盛り上がらないが、旋律はしっかりしている。ラストもおとなしくまとまって終わる。一見使えないようだが、その重要度はオープニングから全体の隙のない展開にある!そう、プレイの一発目に使うのだ。なかなか最初の一曲というのが迷う時が多い。そんな中でこのMIXはインパクトあるオープニングに、しっかりした構成と安定した音使い、つなぎやすいアウトロと全てを満たしているのだ。続いて、Wavestorm
Remix。こちらはOriginal Mixに比べて少し派手目になっている。更にらしいシンセの上モノ乗っているが決して派手過ぎではない。そう全体的にバレアリックハウスのアプローチに近いだろう。よって、バレアリックハウスに絡めたり、トランス前半のセクションで使うのがいいだろう。今回はこちらのWavestorm
Remixの試聴を作った。決して主役にはならない使いやすさを参考にして頂きたい。
趣味である以上は好きな曲ばかりを買うのも良い。しかし、DJ MIXを少しでも念頭に置くならこの手のサウンドもチェックすべきだろう。
Thanks to AX様 for 17000Hit request.
RIDGE RACER TYPE 4
結構前に下のレビューをした際に妙にレスポンスが良かったので今回は再びゲームに絞ってレビューしよう。私はレースゲームという物が大好きだ!!クルマは運転しないがレースゲームは大好きなのだ。中でももっとも引き込まれたのはこのRIDGE
RACERに他ならない。初めて見たのはもう何年も前になってしまうが場所は忘れもしない今はなきナムコワンダーエッグのゲームコーナーだ。当時日本のゲーセンに広がる前にここのゲームコーナーに置かれていた。最初は友人が何の気なしにプレイしてみたがその面白さに全員どっぷり浸かり閉園までやり続けてしまった(パスポートあるんだからアトラクションやればいいのに…by
R3 )。何より虜にしたのはその音楽。これまでのレースゲームはほとんどが無音の中エンジン音とチェックポイント通過のジングルだけだったのに対して全体に疾走感あふれるダンサブルなサウンドは当時テクノを聴き始めていた私に直球で襲ってきた。しかも、開始時にギアを何速に入れるかによって全て違う曲で、ここまで曲にこだわり持ったレースゲームはアウトラン以降久々だった。CDは出ると同時に即買いし覚えるまで聴いた物だ。現在五作まで(亜流を含めるともっとある)出ているが今回は敢えて四作目のRIDGE RACER TYPE 4とした。はっきりいってこのシリーズどれもクラブユーズの音源として成り立ってしまえるほどのクオリティはあるのだが、現在のシーンに最も合うのはこのRIDGE RACER TYPE 4だと確信している。一作目、二作目は全体的にハイパーなレイヴサウンドでジュリアナ世代に100%対応した物だった。某大物DJも現場で使ったほどでMIXのアナログも出ていたほどだ。特に三作目のRAVE RACERも名前どうり実に素晴しいもので、収録ジャンルも実に多岐に渡りシリーズ中最強にすごいのだが今回はあえてはずした。やはり今の音からすると少し古臭さがあるのだ。でもいつかレビューするだろう…。五作目も良いのだが現在手元に音源がないため次回…。尚、内容は正に最先端のサウンドで制作陣も本気で有名な人がシャレにならないサウンドを展開しくれるのだが…いつかレビューするだろう…。
さてそんな中でのRIDGE RACER TYPE 4である。プレステにて続編発表となったが音はシリーズ随一といえる。ブレイクビーツ、ドラムンベース、トランス、ビッグビートそしてハウスと今のクラブシーンの主軸を支えるジャンルだけでも下手なコンピレーション買うよりも十分価値はある。全体の手法からしてもギターサウンド有り哀愁のピアノ有りメロディアスなシンセストリングス有りと日本人が大好き且つつぼにはまる物ばかりだ。そして今回はイメージソングが作られており、歌っているのはなんとKIMARA
LOVELACE!!When Can Our Love Beginなどでハウス界を賑わせた彼女が歌うハウスは迫力が違う!!だが一番やばいのは彼女の歌声をサンプリングして作り上げた。MOVIN'IN
CIRCLESという曲、ゲーム中ではもろに最終戦にデフォルトで入っているのだが、その最終戦はオーバルコースでブレーキなしの最高速バトル!!シチュエーション勝ちでもどうにもゾクゾク来る。もちろんお薦めはこれだけでない、YOUR
VIBEのブレイク明けの美しいストリングスは今のトランスシーンになくてはならない要素を存分に楽しめる。SILHOUETTE DANCEは鳥肌の立つようなドラムンベース。高速なドラムンベースはなんともドライブに合う物だ。THE
OBJECTIVEは妖しいまでのサイケデリックトランス。レースのダークサイドが誘うような背筋がゾクゾクと来るサウンドだ。また、コースによってデフォルトの曲がありレースのシーズンという一連の流れに沿った選曲の展開には脱帽するばかりである。
要は全部お薦めなのだ、この音の全てを体験しないのは絶対損だと思う
。さあ、中古屋に走ろう…。
GRADIUS ARCADE SOUNDTRACK
今回はとにかく異色のレビュー。(7割がた自己満足ありだが許してくれると幸い)。私IliceもそしてR3嬢も実のところかなりのゲーム好きというのは当サイトからもなんとなく染み出てるのも想像出来てしまう。そんな我々に好きなゲームと聞かれるとやはりこのGRADIUSは上位に食い込んでくる。初代GRADIUSがでたのが1985年。さすがにだいぶ前だ、当時まだ小学生だったがゲーセンでこのゲームの虜になった私はなけなしの小遣いでやったものだ。美しい絵に魅了されつつも気づいたら三周位出来る様になっていた。すると次の年GRADIUSはファミコンになって帰ってきた。当然、強請って即買いした!そこで気づいたのは「このゲーム曲カッコいい!!」ということ!当時ゲーセンのスピーカー音は聞こえないに等しく、そんなことなんて気にとめなかったがここにきて気づいたのだ!CPUの音でここまで出来る曲がある、いわばGRADIUSは私にテクノミュージックを投じた起爆剤ではないか!気づくとよく私はGRADIUSの曲を口ずさんでいた。だがそんな私も他のことに夢中になりGRADIUSの音も陳腐化して来た頃衝撃は来た!GRADIUS IIの登場だった。
GRADIUS IIはゲームの完成度もさることながらやはり曲も進化していた。音自体が三音から八音になることで曲に深みが増し、正に芸術品と化したといっても過言ではない。私もこのGRADIUS IIには嵌ったが、周りにはそんなに熱くなった人はいなく同士は高校に行くまでいなかった。ゲームで友情が成り立つと教えてくれたGRADIUS IIも私にとってなくてはならない。その翌年GRADIUS IIIが出た。
これはシリーズ有数の難しさでこの私もゲーセンでは9面(いまは亡きゲーメストの読者が作った面)が越せず痛かった。だがこのGRADIUS IIIの曲もすばらしく心に残った、音数などはIIと変わってはいないのだが音源が変わったため出来ははるかに良い。この頃になると、自分でも自由に使えるお金が出来ていたのでGRADIUSのCDを買ったりしたが中でも衝撃的だったのがGRADIUSの曲をギターなどでフルアレンジして収録した「パーフェクトセレクション」というシリーズ。きしくも出始めた1990年頃はテクノが出始め、リミックスが出始めた頃、やはりゲームとテクノは色々なところでクロスオーバーしているのではないだろうか?そして10年後にはGRADIUS IVが沈黙を破り出てきた。
さすがに10年という時は音源自体にも革新的な進化をもたらす。音はサンプリング音源を使い音もオーディオデータも使えることから最新のサントラとも何の遜色はない。ゲームはというと私は何とかコンテニュー使いクリアしたが、R3嬢は3面がなかなか越せず、いまだに悔しがっている。
さて、このGRADIUS ARCADE SOUNDTRACKはそんなGRADIUSのI〜IVまでの全曲と「パーフェクトセレクション」に発するアレンジ曲が収められている。やはりここで終わってはEuro-Headのレビューらしくないので、クラブでも使えそうなのを数曲ピックアップしよう。
まずはGRADIUS Iのメロディーを集めたものをトランス風味にしたものがCD1の41だ。聞いてみると中々合うなぁ(笑)と頷いてしまう。ただ上物自体がどう聞いてもTRANSAの「SUPERNOVA」やGOURYLLAの「TENSHI」をパクりにパクってる様にしか聞こえないので遊びで入れても良いかもしれない。次にCD1の43、なんとハードコアのDJ SharpnelがGRADIUS Iの1面の曲でバキバキのハッピーハードコアを展開する。これはかなり熱くトリップできるヤバイ曲!こういう感じのがビートマニアに入れば間違いなくやるのにと思うのは私だけか…?
そして、CD2の48、これはPS2に移植された際にあらたにムービーとともについた曲だがマジで鳥肌が立つデジタルロックに仕上がっている。このムービーとの出来だけで2000円払って良いと私もR3嬢も言い切っている。最近ムービーもてを出そうと思っているのだが、これはひとつの目標といっていい出来だと思う。
また、一気聞きして、音の変遷を聞くのも一興だ、ボスのビックコアの音は毎回収録されていたので、聞き比べも楽しい。
しかし、このシリーズ家庭用をことごとく買ってきたが、ある問題がある。それはGRADIUS IIを起動するのにはあのサターンを押入れから出さないといけないのだ!そうPS版はPS2で上手く起動しないのだ…。
FLOWTATION
artist:Vincent De Moor
label:XL RECORDINGS
Vincent De Moor初期の作品の代表作FLOWTATION・・・何故かゲーセンの人たちに人気ある。上記のジャケはXL RECORDINGSの物で2002年末に出たもの、もちろん正規版は自身のレーベルであるCOMBINED FORCESから出ているが持ってないのでこちら。ただそちらよりはMIX数も多いのでこちらのほうがUSEには適しているので問題はない。
では、曲&ミックスの解説。ORIGINAL MIXがでたのは意外と古く1996年。聴いて見るとわかるが昨今イメージしているトランスとは違い音が少ないながらもリズミックなリフとパートが多いのでハードハウスのなかでもテクノよりのプレイに使われた。逆にEXTENDED MIXの方はシンセパッドやボーカルがはいっているので普通にエピックトランスとして使えるのでハードハウスのなかでもトランス(ドリームハウス)よりのプレイで使われた。ただ出た当初は知名度が少なく、一般には浸透し切れなかった部分もある、普通に使ったDJの先見の明にはただただ毎回頭が下がる。そして上記盤にはいってるmix、CONTINUOUS COOL MIX。こちらはいわばMIXの裏王道といえるDEEPHOUSEテイストのミックス。こちらは飛び道具ネタ(またか・・・思われそうだがこうとしかいえない・・・)。そしてARIEL MIX。こちらはなかなかオススメ。現在風というよりTRIPHOPの要素がはいっており実に新鮮。ここいう私も最近はD'N BASSやTRIHOPに嵌められつつある。そのひとつにベースサウンドの違和感からくるものなのだがとにかく面白い!最近はこういうMIXのみででもCDを作りたくなる。そして日本オンリーなものとしてDJ SHINKAWA MIXがある、こちらはVincent De Moorのアルバムの日本盤に入っている。@社にしては何だかよく出来たアルバムだ・・・。無論かのDJ SHINKAWAのミックスで彼らしくアンダーグランウンド且つ日本人リスナーを意識した原曲を残した作りはプレイに変化をもたせるのに使えるのが嬉しい。
しかしこの辺の曲を寒いDJほどテンポアップしようとしてピッチごと派手に上げてしまい台無しにするプレイが多くて厳しいのが@社のパーティーなのを忘れてはいけない。
実はR3嬢のリクエスト・・・
papa's got a brand new pigbag
artist:thunderpuss
label:Tommyboy silver
今回ご紹介するのは2001年末に大ヒットしたthunderpussのpapa's got a brand new pigbag。今回、上のジャケはCDシングルのものだがもちろんアナログも売られている。そちらは銀のジャケ紙に上のジャケのシールが貼ってある感じだ。Tommyboy silverのジャケ全体がこのデザインで統一されている(同レーベル過去にもレビューした曲あります)。さて、まずは前に一切触れなかったTommyboy silverについて見ていこう。ずばり言うと、ハウスとR&Bレーベルの名門Tommyboyのハードハウス&トランスセクションだと考えて良い。ただここで重要なのはUS製のトランスが市場に出た事だろう!今までのヨーロッパ産に加えアメリカ産の介入はクラブミュージックの図式にしっかりとハードハウス&トランスが組み込まれているのを物語る意味でもTommyboy
silverは注目しておいて損はない。
では、曲&ミックスの解説。まずはオリジナルミックスであるthunderpuss club mix(CDではthunderpuss mixshow edit)。ドンドンという単純かつ重いキック&ねちっこいタムで幕を開けるとフェードインとともにメインのシンセホーンが目立ってくる。もとから全体的にトライバル色の強い曲であるのだが、すでにここからしてUSらしさがにじみ出てくる。今までのハードハウス&トランスはブレイクの後に盛り上りがくる。即ちメインのフレーズをオープニングで使うなどという事はヨーロッパサウンドでは少ないので、この曲を頭からつなげるだけでびっくりするほどプレイに抑揚を付けられる。しかも後半は掛声の合いの手が入るなどフロアを呼応させやすい。某大箱では盛り上がりの最高潮にマイクで「オイ!」とアピールかけるのが多く見受けられた。ただ声の通りが悪いDJだとかなりフロアをクールダウンしてくれる。今回プレイに組み込み易いのはdj paulo remix。曲全体をユーロトランスのスパイスを入れた感じで普通に使うならコレか。ジャケにも参加してると銘打っているので作成時保険がけとも思えなくもない。飛び道具として外せないのがharris + com mix。全体的に暗い感じで始まりキックがおとなしければDEEPHOUSEっぽくいけるのが使いでもちろんブレイクが用意されており抜け後はいつものフレーズが入ってくるので、使い方次第では多ジャンルmixのスタイルになってくる。
なおCDシングルはradio mix入りの五曲入りとなっており残る一曲はthunderpuss club mixの長いものであり、長時間リスニングするとメインのフレーズが頭を駆け巡る・・・。しかし未だにタイトル長く覚えづらいし書きづらい…。
thanks to SEブンブンダラー様
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