Ilice's Review (5)
Beamrider
artist:Robert Smit
label:Polar State
今回は久々にMixなしのEPでRobert Smitのbeamriderをご紹介。
Robert Smitと言えばかのTSUNAMIの二大巨頭の一人として名高く、コンピレーション「TSUNAMI ONE」ではSystem Fと一枚ずつMIXをしている。ちなみにこちらは当方ではかなりのマストアイテムなので近々R3嬢がアルバムレビューすると思う。また、今回のレーベルであるPolar Stateも当然のごとくPURPLE EYEの傘下なので、最近のコンピレーションでは今回のコレも頻繁に見ることが出来る。
では収録曲の紹介。まずタイトルのbeamrider。作りの方は正直かなりオーソドックスにパートを少しずつ加えていってブレイクからは上げていくという物、序盤は大人しめのハードハウス調でハットも入るのでパンなどかけて渋くいきたい所。ブレイク明けといってもそれほど派手ではないので単体よりも組み合わせで使っていきたい。次にカップリングのIt's In The Gameだが、実のところこちらが本命ではなかろうか?レーベル面(いわゆるSIDE A)に入っている辺りその辺伺える。ではどんな曲かというとNU-NRGのエッセンスをいれたWARP HOUSEという感じ。TIDY TRAXが好きならまず間違いなくツボにはまる。そう考えて聴いてみると上モノではいるアトモスフィア音などもイカスし、途中ドラムパターンが変わってしまうのもウケ狙いでもありのアホトラックと化ける!
最近はトランスのアーティストが多ジャンルの曲を送り込んでくる傾向だ。そういった意味でもメインを持ちつついろいろなジャンルを操るスタイルに変えていけないDJは淘汰されてしまうだろう。
Rapture
artist:Iio
label:DATA
今回はちょっと面白いところでIioのRaptureを紹介。まず上のジャケだが今回はCDのものでアナログではまたもう一種類各店頭で確認している。しかしそれより焦点はCDシングルの収録数にあると思う。DATA盤こそRADIO
MIXつきの5曲でアナログとあまり変わらないが、後発のUNITED盤ではEDIT合せてなんと10曲!どれも味のあるつくりでアナログオンリーでは損をするのは自明といえる。また、この曲はアルバム「Poetica」からの先行であり、アルバムの出所はMADE RECORDからとなっているが、まだ見ていない。奥付けなどからはヴォーカル主体とも読めるのだがなんともいえない。
ではMIXを見ていこう。まずは基本ではあるがOriginal Extended。オープニングはトランスの前身ドリームハウス的ながらフランジャー音などハンドバッグ的要素が強い。曲自体は単純な四つ打ちキックと薄いシンセリフにこの曲のメインともいえるねちっこいヴォーカルを聞き込ますという感じだ。普通に歌物ハウスと捕らえたほうが使いやすいだろう。次にCreamer & Stephane K Remix。ヴォーカルはOriginal Extendedと全く同じだが、当然土台は全く違いディープな雰囲気に仕上がっている。実態は無機質な音なのだがやはりヴォーカルがねちっこく使い方が難しい。だが違和感なくプレイに組み込んだDJもいたのでまだまだ研究の余地がある。次にRiva Remix。見た限りこちらがトランスファンには食指を誘うかのRivaのMixだ。Originalの四つ打ちにスネアを目立たせ流れるようなシンセリフは正に文句なし!ブレイクに上手くヴォーカル重ねるあたり職人技だ。だが、使い道はいくらでもあるようだが実際使われることはほぼない。理由は後発のミックスにあるのだ。それはさておきAloud Remix。うって変わりWestbamのようなハードなミニマルドラムになんともフランジャーで引き伸ばしたような揺れる音に弦楽器の音、途中でリズムやBPMまで不安定になったりとなんとも難しいMixだ。こちらのほうが使いかた問いたいくらいだ…。次にSoulside Remix。若干ゆったりしたリズムに落ち着いた上物で癒すようなアンビエントに仕上がっている。正に朝といける抜群のモーニングトラックだ。次にDeep Dish Space Mix。かのDeep Dishも参加しており、中でもこちらは心地よいキックが非常に響く。メロもアンビ調なので踊りつかれたときには心地よく寝れそうだ…。かのヴォーカルがないのでRaptureっぽくない。しかし、Deep Dish Miami DubではDeep Dish Space Mixにしっかりとヴォーカルがのった物に仕上がっているので、二つを二枚使いしてDEEPHOUSEの飛び道具にするという超上級の使い方に持って行きたい所だ。最後に最後発として、Armin Van Buren Remixがある。これは知り合いのDJの「Naj氏」に提供いただいたものだが、さすがに彼としか言いようのない展開となっている。やはりミーハー路線で言えばRiva Remixより使いやすくこちらメインとなってしまう。アナログの出回りは少ないが数々のコンピに収録されているのでチェックは容易い。
さて、大量のMixあるが、私個人的なお勧めとなるとRiva Remixとしたい!Armin Van Buren Remixに押されるが逆言えば派手さが抑えれれていつでも組み込みやすいのでDJユーズとしてみるには一番使いやすいのではなかろうか?今回はこちらのRiva Remixを試聴にしてみたので参考にどうぞ。
Pachinko
artist:Praha Presents Xine
label:Platipus
タイトルこそ「おいおい」と言いたくなるが、名前以上に強烈なパンチを持つPraha Presents XineのPachinkoを今回紹介。
正直アーティストとしては全くノーマークでこちらとしてもデータはない。ただ奥付けを見る限りPlatipusでたまに出すPrahaではなかろうか?もちろん我々にとって評価の基準は「使えれば誰が作ろうとOK」なので気にすることはないだろう。また上のジャケはPachinko Part 2の物だがミニコンピのPlatipus 7にも入っているのでそちらのほうがおすすめといえる。
やはりおすすめはOriginal mix。たっぷり濃厚なベースラインと重いキックはこれだけで説得力十分!シャカシャカした上物もメロを一層引き立てる。ブレイク明けも全てが混ざり一気にテンション上がる。かのSystem Fもイベント「ダンスバレー2001」の序盤に使ったことからハードハウス的なアプローチも強く、PlatipusのプログレレーベルgekkoのようなねちっこさはないのもじつにDJユーズとして申し分なしのキラートラックだ。今回はこちらの試聴を作ったので是非とも参考にしていただきたい。次にPart two。こちらは先ほどのベースラインは更にハードになり、上物はOriginal mixの流用ありとなかなか使い方考えると面白い。私見でいえば、フロアがヒートアップし、ヒット曲明けにずんと来るベースラインのこれを持ってきて持続よりに上げたいところだ。
そしてchab dubb。いかにもアンビエントで始まると思えば中身は意外とリズミック、そのくせあの上もの入ると思えばシンセのフレーズ入ったりで捉えどころがない。曲として聴くぶんにはなかなかカッコイイのだが、使えとなると首をかしげる。よく言えば研究余地がある、悪くいえば無視という典型かもしれない。
しかしPlatipusといえば特徴的なフォントがいつもながら読みにくい。どこかでこのフォント置いてあれば一度は組み込んでみたいが…読みにくくなるだけだと思う。
Infected
artist:BARTHEZZ
label:TREMOLO
今回は再びミーハー路線でBARTHEZZのInfectedを徹底的にレビュー。BARTHEZZといえばR3嬢のレビューでも紹介したOn the moveのデビューにしての大うけで知られている。このInfectedはセカンドとしてリリースされ、なかなかの完成度を誇る。そろそろPURPLE EYEの傘下TREMOLOも地位を固めてきたといえる。今回上のジャケは正規盤であるTREMOLOのものだが、On the move同様Superster recからも出されそちらのほうがMixは多いようだ。また最近ではかのPOSITIVAからもCDシングルが出ていて二枚別売りながらPVや新しいMixにOn
the moveまで入っているので気に入ったらチェックしてみても面白い。
では、それらも踏まえてMIxの紹介、まずは当然ORIGINAL MIX。単純な四つ打ちキックにオープニングが入りブレイクという王道の展開だが若干キックとフィルが懐かしい感じがする。2 the coreなどの90年代前半のデステクノっぽいかんじが妙にする。よって開始はトランス風の音でもブレイク明けてみるとトランスというよりもっとポップな、ある意味ユーロビートの意味合いにも取っていいと思う。私ももともとユーロビートにはそうとう影響受けているだけにこの作り方はまさに「目からウロコ」!。だが、こうなるとはなはな不本意だがユーロから流れ着いた@社のイベントではBPMを上げてマッハに使われてしまう。BPMを上げすぎると横でリズムが取れなくどうにものれない私だ、かつパラパラまでついててもう勝手にしてほしい。次にDJ Errik Mix。聞いて一発プログレ風のMixだがオリジナルのオープニングのフレーズを一音づつ使うあたりがなかなかイカス。BPMを速くするとただただ台無しになるので気をつけたい(そんな人はDJ失格)。次にDJ Jean Mix。名前でピンと来る人はなかなかの通だ!Klubbheads名義でワープ&ハードハウサーにはなかなかの支持があり、最近も2アンリミテッドの昔の名曲を別物に仕立てたリミックスで多発したなかなかの問題児だ。そのMixはやはりいい感じに仕上がっている。ドラムもドンドコしたいかにもハードなフロアを意識してORIGINAL MIXの音をふんだんに取り入れつつ新しい上モノを取り入れる。使い方としてはもちろんアッパー物の選曲にうまくとりこめる。Klubbheadsのアンセムkittinheadsとくみあわせても面白かった。
そしてここからは最近でてきたPOSITIVAの二曲をレビュー!まずはMARK!S BASSTOY MIX。なんかずいぶんサイケだな!というのが第一印象。出所不明なボイスといいとんでもなくディープな雰囲気、むしろ原曲のボイスをサンプリングしているようだ。昔のPOSITIVAのMixを知ってれば返って納得行く。イコライザをいじって即興でビッグビート風にするなどオールラウンダーには“あのPOSITIVA”が帰ってきたともとっていいだろう。最後にNUW IDOL REMIX。こちらはまた面白い!ORIGINAL MIXのトランス性を一段と強くした更なる可能性のMixだ。音自体も正にエピックトランスなので、トランスユーザーなら気兼ねなく使って行っていいだろう。
余談だが何気にこのInfectedはPVが個人的に好きだ。なぜかファションショーなのだが正直訳わからないのが、そのままVJワークスに持っていけそうで画策を練る今日この頃である。
The Beauty of Silence
artist:Svenson & Gielen
label:Xtrahard
今回はR3嬢の更新に便乗するようにこちらSvenson & GielenのThe Beauty of Silenceをレビュー!。Svenson & GielenについてはR3嬢の過去のレビューにもあったがAIRSCAPEと同じだ。Svensonはもともとベルギーで昔からDJもしくはAIRSCAPE名義でミックスをしていたが、今ほどトランスで目立っていたわけでなく分け隔てのないプレイで評価は高かった。そしてGielenはじつは94年から二年近くヴェルファーレでDON JOHANの名前でDJをしていた(しかもレギュラー)ので馴染み深い。私も近くで見た事あるがある程度の日本語通じるくらい日本にいたようだ。また当時からセルフプロデュースにも力を入れておりANTRER SUBWAYからBRUE BAMBUUを出したのは有名な話。かのマイケルフォーチュナティーもプロデュースしたこともある。そんな彼らが本国で作った一曲がこのThe Beauty of Silenceだ。上のジャケはXtrahardのCD盤だがアナログとの違いは殆どない。尚ライブでSvenson & Gielenがこの曲をリアルでやっていたがシンセ叩くタイミングがずれてて笑えた!!また要所要所でGielenが盛り上げをやってた辺りは流石にヴェルファーレ魂全快で笑えた!!いまだにこの曲を聴くと真似してしまううちらである・・・また公式サイトでもプロモが見れそちらもかなり面白いので必見!!
ではミックスの紹介。まずORIGINAL MIX・・・といきたいが実は手持ちにない!さてどうしたものかというと実はBONZAIレーベルのコンピにしっかり収録されてるのでそちらをつかえば問題ない。音のほうはというと基本に忠実なオープニングからブレイク明けには和音の泣きのシンセが入り盛り上がりとなる。全てにおいて基本的なので初心者にはとっつきやすい反面慣れたクラバーには泣きのシンセが少しウザイだろう。次にPunp Mix。オリジナルに若干ビートを加え音自体がSystem Fに近い。ブレイクのあのシンセにもかるくトリルが入るなど使用に耐えるならこちらと行きたいがキツイ罠が待っている。ライブミックスということでクラウドの声が入るため全く使えないのは痛い。キャパの低い小箱で流す時にとても不自然だし、大箱でも歓声がでか過ぎる。曲も長いだけに惜しい素材、リスニング用と割り切りたい。そして、Essential
Dark Mix。やっぱり飛び道具のプログレ風のミックスでいきなり転調したりして怪しさ抜群だ。泣きのシンセも裏がデロデロしてると違和感が残り面白い。ここぞというときにこういうのが使えるDJはすごすぎると思うが@社のパーティーにはいなかった。
何とこの曲、かのビートマニアに入っているようだ。ただブレイクのタメ等もカットされているらしく音を楽しむのはできないようだ。そしてプロモも使ってないらしく正直つまらない。昔はアーティスト曲はリアルのPVを使っていた(MONDAY 満ちるなど)し上手い切り方もしていたので、かなりリスペクトしたのだが、こういうのを見ると正直な所なんとも質が落ちてると思う。
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