Ilice's Review (8)



Strong In Love


artist:CHICANE feat. Mason
label:xtravaganza



 今回は既にクラシックとなってしまったがCHICANEStrong In Loveをレビューしていこう。リリースは1998年であるが、この辺の曲は今でも人気があり再リリース再プレスが今だに目立つ。当然CHICANEも例外ではなくDJ、リスナーを問わずバレアリックサウンドの人気を証明している。ではMIXの方を見ていこう。
 まずはOriginal Mix。この曲はCHICANEの中でも私の特にお気に入りのサウンドだ。ハウスらしい力強いキックで始まり 、か細く美しいヴォーカルのリフレインとシンセのパッドが入ってくるととにかく心地よく聞ける。その中でも特にヴォーカルが入る前のハミングとピアノコードの組み合わせは正にバレアリックサウンドの真骨頂といえる心地よさだ。あんまり体動かさずに曲を聞き入りたい、そう、朝方のチルアウトタイムにはうってつけの曲だ。
 次にDisco Citizens Remix。こちらはヴォーカルはサンプリングにとどめており、全体的にOriginal Mixの導入部分を色濃く出している。この手のミックスはリスナーサイドからするとノリにくく無視されがちだが、DJからしてみたら出だしからジワジワと攻めるのに実に好都合だ。また盛り上がり後も持続的なプレイも効果はある。主役ではないがなくてはならない、そういうMIXとして捉えるとすごく面白い。どちらのMIXにしてもピークタイムにかかる曲ではないが心に残る名曲だろう。
 しかしまったく関係ない話だが先日まで「癒し系」なんて言葉が駆け巡ったが、私はこういうバレアリックサウンドにこそもっとも合う言葉だと思う。巨乳で童顔のアイドルよりもよっぽど癒されるだろう。
Shiny


artist:DJ KUBRIK
label:Anthem



 今回はDJ KUBRIKShinyをご紹介。最近はどうもキラキラしたトランスには飽きたというのが最近の感想だ。反面ライトなグラウンドではまだまだ本番との声も聞く。傾向としては小箱中心のオールナイト型ではよりハードなもの、大箱中心のナイトクローズ方ではコマーシャル的なものといつの時代かにそっくりな傾向だ。今回はどちらかというと後者の曲になるだろう、「At the end」のときと同じレーベルAnthemからのこの曲はやっぱりキラキラしたトランスシンセが光りつつもニヤリとしてしまう展開が好きな個人的にもお気に入りの曲だ。ではMIXの方を見ていこう。
 まずはOriginal Mix。割とありきたりのキックからやっぱりありきたりのシンセリフに始まる音から一転していきなりマウロピコットのイグアナばりの派手な音が来る。その後はブレイクからの妙なテンションの盛り上がり…全体的になんともパクりくさい。しかし、二つのミックスは色が分けられなかなかよくなっているので引き続き見ていこう。B1のFull Metal Mixは前述のイグアナの音を中心として攻め立ててくる全体的にハードな構成になっている。先ほどではありきたりのシンセリフで終わりだったがこちらでは程よくなじんでくる。昨今はミキシングが大事だというのを痛感させられる。続いてB2のSchwarzende Mix。難しいつづりだ…ドイツ人ではなかろうか?こちらはありきたりのシンセリフにトリルを加えてあり高揚感が増している。やはりダンスフロアで映えるのはシンプルなアレンジが多いのをよく分っている作りだ。特にシンセにトリルを入れるのは常套手段、しょぼいシンセも生まれ変わることが多い。今回はこちらのSchwarzende Mixの試聴を作ったので参考にどうぞ。
 しかし最近はOriginal Mixがしょぼいことが多くて買うときに困る。某新譜中心レコード店D○RはOriginal Mixの一部しか試聴できなく今だにバクチ感漂う。
Beautiful


artist:Bigfella feat.Noel McCclla
label:NuLife



 今回はR3嬢におすすめCDシングルをお借りしてのBigfella feat.Noel McCcllaBeautifulを御紹介。レーベルこそかのNuLifeなのだが、正直な所アーティストも知らなければプロデューサーも知らない曲なんですよ。ただ聴いた段階で結構気に入った!そんな感じなので今回は薀蓄は抜きにして聴いたままでレビューしていこう。
 こちらの収録は3曲だが一曲はRadio Edit、まずはそれから見ていこう。イントロはDuft Punkを髣髴させるフィルターハウス調の曲でそれに男性のVoがのってくる。Bobby Summer(古!)のような夏向けのコードを使った全体的に明るめの作りで、割とハンドバッグサウンドも好きな私は嫌な感じがしなかった。 次にCoast 2 Coast Remix。こちらは割とミーハー向けのトランスのMix。Radio EditのVoを巧くちりばめてありなかなか男性Voものが少ないトランスっでは面白く使うことが出来る。曲の時間も08:50と長く途中でハードなフレーズやパン振りが飛んでくるなど全体的な出来が面白い。ただブレイクが二回来てしまう計算になるのでMixの際には気をつけたいところ。今回はこちらの試聴を作ったので参考にどうぞ。そしてJunior Jack Remix。こちらはDeepHouseというよりTechHouseのちょっと変わったMix、私もこの手の曲調はあまりやらないのだがリズムが心地よくこれまたはまってしまった。Radio EditのVoを巧く残したままでベースの効かせた何処となくファンキーなサウンドはフロアで踊るというよりダンスのサウンドとして使ったほうがいいのではないだろうか?メリハリのあるキックとベースはロッキングなどのストリートのダンスに適してるからだ。
 しかし、今回のようにジャンルの違う曲が点在しているとついつい他のジャンルの曲を買いたくなるのは悪い癖だ…。
Delirious / movin On


artist:Double Dutch
label:Next Generation



 今回はミーハーというよりお笑い路線でDouble DutchDelirious / movin Onを御紹介。コレは私のレビューでも初となるジャンル「HAPPY HARDCORE」だったりする。ハピコアにおいてはダンスマニアスピードを聞くのが一番近道といえる。なぜかというとハピコア界においてはずすことは出来ないレーベルNext Generationが全体にわたって収録されているからだ。サウンド自体が基本的にBPMが高くノリがいい反面、悪く言えばリズムが単調で飽きが来やすいといわれるハピコアの最前線にいるこのレーベルのサウンドは正に何でもアリ!!オリジナルからネタものまで色々取り揃えている。このNext Generationのサウンドを体験するならダンスマニアスピードの「HAPPY RAVERS」が非常に良い!レビューはこちら
 さて、今回のこちらは表題のとうり二曲構成になっており、どちらも聞いたら一発でわかる元ネタがある。そちらを加味しつつレビューしていこう。
 まずはDelirious。タイトルからしてなかなか笑わせてくれる…文字どうりかのDELERIUMのSILENCEネタ!!妖しげな掛け声と共にBPM170オーバーのドラム音の後から流れてくるのは美しくも艶っぽいヴォーカル…だけど歌詞はSILENCEまんま!!丁寧にもサビにはブレイクまでキッチリあり、ゾクゾクするような展開は決してSILENCEを馬鹿にしているわけではない。しかしこのまま行くわけは微塵もなく、いきなりオープニングの妖しげな掛け声とともに一転してうねるベースの変態サウンドがでてくると思いきや元の展開に戻るといったハピコアならではのブレイクも面白い。次にmovin On。こちらももしやと思うかもしれないがBARTHEZZのOn The Moveネタ。こちらは規則的なドラムにリフといういわば典型的なハピコアサウンドに上物がOn The Moveという感じだ。もともとOn The Moveはインスト中心のハードハウスという印象もあるので早い元ネタといってもいいかもしれない。こちらも途中でうねるベースの変態サウンドがあるが、リフ等はそのまま使っているのでさほどDeliriousのときほど違和感は感じないだろう。
 どちらも全体的な完成度は非常に高く、トランス専門のプレイヤーでも使えるだろう。その際には先述の変態サウンドはカットするのも手だ。もちろんハピコアで行くなら使うべき!要はパーティーの雰囲気が違うため作り方に差が出てくるということだ。今回はこの二曲の試聴を作ってみたので参考にどうぞ、それと同時にと過去にR3嬢のレビューであった元ネタの対比も面白いと思う。
(Delirious)−(SILENCE)
(movin On)−(On The Move)

Ligaya


artist:Gouryella
label:TSUNAMI



 ここの所何処も彼処でも話題になっていたGouryellaLigayaをレビューしていこう。既に他のサイトなどでも言われている通りに制作陣からTiestoの名前が消えて代わりにJohn Ewbankという人が入った(正直知らない)、Ferry Corstenもアレンジに廻るとなんともコレはGouryellaでいいのかな?と思ってもしまう。ジャケにしてもいつものTSUNAMIのやつで、TENSHIのときのようなオリジナルのジャケではない。ただ曲の方はというと「あぁ…Gouryella」という感じ、ではMIXの方を見ていこう。
 まずはOriginal Instrumental。まったくクセはないが重い四つ打ちにらしいベースラインは誰もが待ってましたという所ではないだろうか、さらにシンセのリフとアルペジオも加わった所でとても静かなブレイクがくるそこに漂うのはアンビエントのような調べ…そしてブレイク明けは流石にゾクゾクする展開は私がここで言葉を連ねるよりフロアで聴いたほうが早いだろう!Instrumentalと銘打っているだけにヴォーカルは全くない。それがかえっていいと思うが、どうせその内別MIXも出るであろう。次に、Hiver & Hammer remix。こちらの方が入りが若干ハードな音使いなので、ハード目を得意とするならばこちらの方が使いやすいだろう。ブレイク明けに関していえばOriginal Instrumentalと同じに明けるのでトランスへの切り替えにしてもいいだろう。
 とにかく、間違いなしに盛り上がりのナンバーである事は疑いようがない。難点はそう、盛り上がりすぎてしまうところにある。これだけズドンと来ると次に何もって来たって翳んでしまうのは確か、こうなると誰彼とかけていいものではない、この曲いかんによってはイベントのバランスを崩す恐れすらある。自分がゲストで呼ばれているとか、ヤマを作れと指示があればいいがその他では絶対かけてはならない一曲であろう。特にレジデントであったらゲストを立てる意味でも残すべきだろう。尚、私ならラストに使って電気がついて終了…というのが最良だと思う。
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