第六回 ableton “LIVE”(2)







 今回は“LIVE”を使って二分前後の曲を作るまでというのを書いてみようと思います。“LIVE”の専門用語は前回解説したので見てください。

 まず今回使用した音ネタはこちら、SONIC FOUNDRY社のLoop for Acidシリーズ“Euro Techno Grand Loops”オンリーで作ってみました。こちらのシリーズももとは自社のACIDシリーズように作られたものだけど、後発で対応ループシーケンサーがどんどんでたのでDTM用の音ネタとして定着しています。CD内の全てのネタがハードディスクにコピーするだけで使えます。また、他のシリーズのサンプルも入っているので次に照準合したりもできますのでこのシリーズは何かしら一つ買っておくと次回以降のハズレ率がグーンと減るかも・・・。
 さて、ついでにこの“Euro Techno Grand Loops”のレビューを書いておきましょう。もともとはACIDシリーズの一つ“ACID Techno”の続編と謳っているがあながち間違いではないでしょう。全体的にビヨビヨしたヨーロッパテクノらしい内容。ハードハウスやトランステクノ、ゴアトランス系の音使いにはなかなかオススメ。ただ全てがステレオどりなので、パン振りや位相取りが割りとめんどくさいのも事実。よって自然と使い方としてはベースやドラムなど全体に振る音に使い、ギターやシンセなど位置を気にするパートにはモノラルをあてるのが良いかの知れません。総じて言えば、ACIDオンリーでテクノ作ったりする初心者にはやさしいけど、自分でネタ作るためのサンプリング取りにはやりにくいといえる。
 ただ今回“LIVE”で直感的に作るには音が混ざってもある程度違和感なく使えたのが嬉しい。使うソフトや目的で音ネタCDを選ぶ重要さを再認識しました。

 では、今回久々に作ってみた曲の「morgen」をもとに順を追っていきましょう。まずはやっぱりどういくかという方向性を決めて見ます。“LIVE”でまずセッションビューの第一トラックにドラムパートを数個置いて適当に鳴らし適当にBPMだけ変えてみると、ここでやるのはホント遊び感覚で自分で乗れるテンポを探す感じです。この“Euro Techno Grand Loops”は音が込合っているので上げすぎるとウザく、下げすぎるとのっそりする・・・ピンときたのは適度な疾走感のあった150BPM。ぱっと合いそうなのはゴアやユーロダンスなどその辺りかな?そう考えながらブラウザビューで試聴を繰り返しながら気になったフレーズをどんどんクリップビューにコピーしていきます。ある程度集まったらまさに適当にトラックを再生して遊び感覚でグルーブを見る感じです。ここでは再生タイミングの指定も小節単位で出来るので某ゲームの如く真剣になる必要もそんなにないので気楽に見つけましょう。まずできたのがドラムパターン。オープニングの物に途中からパーカッションを効かすとかなりよくまとまったので即刻採用。次に決めたのがキリキリしたアルペジオ。これだけでもなかなか・・・展開的にはゴアトランスに決め打ちしていこうと方向性が決まってしまいました。となると、ゴアにはうねるベースが必要!だが、どうも一つ一つはいいけど組み合わせると気持ち悪い。理由はもちろん音が合ってないため不協和音になっているから。そのままでもわざと使っていく手法もあるけど、ここは“LIVE”の出番。クリップをクリックするとエディットビューが下に出るのでここでピッチの調整、やっぱりリアルタイムで出来るのでソロパートにして音を合わせます。音あわせに関してはR3嬢に一日の長があるので意見を聞いたりもします。こういう辺りはあくまでミックス集団の真骨頂です。

 ここでメインで使うものがセッションビュー上にでたところで、録音モードにして適当な長さで再生するとアレンジャービューにはメインフレーズの各パートがトラックとして出ています。もちろんこのままではフレーズだけなのでアレンジをしていきます。まずは曲に展開をつけるために不要な部分を切ったり伸ばしたり・・・本当にそんな感じです。クリップの端をドラッグして動かすというだけ、コピー&ペーストもないなんてほんとに楽過ぎ・・・。もちろんコレだけでは芸がないのでパンを振ったり、音を加えたりエフェクトかけたりして全体的に仕上げていきます。したものを挙げていくと・・・
 (1) アルペにパンを振り疾走感を出した。
 (2) ドラムを要所で縮める一般的なもの。
 (3) 軽くベースにディレイをかけブレイク前では派手にかけた。
こんな感じでやって前半はとりあえず完成、ブレイクを作っていきます。

 しかしここである事態、ブレイク明けを作りたいのに単発のドラムが少しトーンが違う。となるとここはクリップしてあるドラムパートのエディットビューのウエーブエディターを起動。わたしが“LIVE”でいれてるウエーブエディターはこちらのCDライティングソフトの“nero”にはいっているneroウエーブエディター。おまけで入っているものなのにスペクトロ表示もでき、ソフト自体も軽いので、カット等しかしない事を考えるとコレでで十分な性能です。余談ですがこの“nero”バルクのCDRWについてきたものなのにえらく使えます。ダウンロードによりアップデートも出来ますがファイルサイズが2MBほどあり、常時接続にしてようやくできたものでした。3時間が2分・・・常時接続偉大です。ここで作ったものはやっぱりドラムのワンショット、それをとりあえずセッションビューにもってきます。ここで“LIVE”の特徴の一つキーアサインを使いテンキーの0にアサインしてタイミングで音を出してみる。正に生ビー○マニアです。できたところでまたまたアレンジャービューで総仕上げをします。

 こんな感じでとりあえず出来ました。総じて聞いて見ると、もう少しオカズの音あってもよかったし、終わり方がかなり酸っぱいとかまだまだ不満はありますが、このクラスが実質二日くらいで出来るというのは上出来ではないでしょうか? 四月の半ばには新しいバージョンが出るそうなので(予定では日本語対応!)またまた楽しみです。
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