Ilice's Review (27)



Into Another


artist:Tarra 2xlc calls Moguai
label:Techno Club



 今回はTarra 2xlc calls MoguaiInto Anotherをご紹介。1999年発表で結構古い。R3嬢が好きなプロジェクトであるから、あちらもレビューしているので知れているだろう。では早速Mixを見ていこう。
 まずはTalla 2XLC Mix。かなりの拡がりをもつオープニングが印象的だ。ここはドイツ製からか、ジャーマントランスの雰囲気出ている。そのくせキャッチーなメインの上モノは強烈に記憶に残る。中盤はテックな音こそ出てくるが、そこは演出なので違和感は全くといっていいほどない。ただしアウトロがぷっつり切れる感じなのは、少し使いづらい。音的には序盤系なので構成をよく考えた上で使いたいところだ。続いてMoguai Mix。こちらはダークさを増したプログレッシブハウスとなっている。上モノは少し派手だが結構ダラダラ続く醍醐味は堪能できる構成だ。全体を通して移り変わるシンコペーションの面白さが最大の特徴。ベースラインとメインメロディーは不変なので、その移り変わりがいい浮揚感を出しているのだ。個人的にはこのコラージュテクノ的アプローチが、あまりプログレ聞かない私でも聞きやすくしてくれた要因だと思う。
 実際、私もプログレシッブハウスには明るくないので気の利いたことは書けない。でもそれでも紹介したのはなんともいえない面白さがあったからだ。きっとしばらくするとまた自身の評価の変わる…そんな一枚だ。
Requiem / 4th Floor


artist:Lab 4
label:Tidy Trax



 今回はLab 4のEP、Requiem / 4th Floorをご紹介。最近のハードダンスでは外せない存在なのに、そういえばレビューしてないのがLab 4…というわけで、とりわけ手持ちの中でもお気に入りをご紹介しよう。なお、発表自体は2002年と、Tidyのジャケが二世代前からもちょっと古い。では早速Mixを見ていこう。
 まずはRequiem。序盤からサビが入りつつ、ゴリゴリのハードダンスが展開する。正直、バンギンフリークには「待ってました!」の展開だろう。その中でもポイントはブレイクのメインのシンセ!これが伸びがよく不思議と癒される!!正にフロアを一瞬包むレクイエム(鎮魂歌)に仕上がっている。後半はそれをメインに前半との合成パートがあり、ラストはハードに締める構成だ。締め的な音だがこれを生かしてつなげても面白い。コンピレーション「Keep It Tidy 4」においてAmber Dが終盤にお手本のような使い方をしているので参考になる。ていうか、正直凄まじい。続いて、4th Floor。こちらは単一の音を上手く繰り返し使うハードハウス。テクノ的な作りも入るので、最近は「Click House」とも呼ばれる。こちらはシンコペーションも多用しダンサブルに仕上がっている。特に中盤以降はシンセがメインになり、ハードダンスの仕上がりになっている。展開がころころ変わるので少し使い方が難しいかもしれない。(ぶっちゃけいうとIIDXのDXY!にサウンドは似ている。アレをライトにするとこういう音だろう。)
 この頃のTidyはtidy Twoメインだったので無印で出たのも少し意外だった。
Lovin'U


artist:Yakooza
label:Overdose



 今回はYakoozaLovin'Uをご紹介。もはや完璧にネタ一発で買った一枚だ。元ネタは当然ミニーリパートンのLovin' You。もう、このサイトに来るような人には星の数ほどあるネタなので、説明は不要だろう。時代時代でネタにされ今回はハードハウスとなっている。では早速Mixを見ていこう。
 まずはMisar Mix。オープニングは誰もが知っているサビで始まる。「ラララララ…」の後はかなり骨太のベースラインとサビのリフレインが続く。中盤はフランジャーなども絡み抑揚があって面白い。ブレイクではもちろん歌詞もはいってくるのでどうあがいてもLovin' Youと納得させられる。ブレイク明けも前半とほぼ変わらないので前半向けのMIXだ。次にDj Wag Mix。こちらはレーベルカラーらしいトランス。…のはずなのだが、とんでもないワナだらけの飛び道具となっている。前半はトランスなのだが最初のブレイクの後は先ほどのMisar Mixのようなハードハウスに。次のブレイクの後はシンセパッドと共にリズムもBPMも変わるブレイクスに…極め付きはそこからハードスタイルに化けるという!!ラストはオープニングに戻り終了という強烈七変化!さすがに使いこなすのは至難の業だろう。
 ちょっとイロモノ過ぎたか…今回…(汗
Singularity 2005


artist:Dave 202 meets DuMonde
label:Fate



 今回はDave 202 meets DuMondeSingularity 2005をご紹介。「At The End」のDave 202と「Never Look Back」のDuMondeというサイバートランス(そろそろ死語か?)フリークならずとも、ネタ購入揺ぎ無い一枚だ。当然、私もネタ一発で購入した。実際の所、内容自体も結構不透明で首をかしげる。ではMIXを見ていこう。
 まずはSingularity 2005(DuMonde Remix)。オープニングからして結構重厚なラインだ。そこにDave 202らしいストリングスとDuMondeによるメロディーが入ってくる。BPM自体は140いくかいかないかのあたりなので、素で聞くリスナーは浸れるだろう。ピッチ調整を+2あたりすると一気にアゲ仕様となる。盛り上げたいなら、この辺に気を使うといいだろう。続いて、U Aint Seen Nuthing Yet (Original Mix)。別名タイトルがついているが、実はDuMondeとしてはこれをネタにMIXした事がわかる。制作も2004だ。展開は荘厳ストリングスが絡み合うドラマチックトランス。音的にはDarudeの「Sandstorm」を髣髴させる。 使い勝手としてはピークの一歩手前が良い感じだ。DuMondeの「Human」等と組合すなども面白いだろう。 そして、前述した不透明その1がこれ。奥付からDave 202の「Singularity」のオリジナルがあるはずだがレーベル的には「U Aint Seen Nuthing Yet」が「Singularity 2005」のオリジナルという…書いている私もイマイチ良くわからない結果。ネットで調べてみたが今ひとつ的を得た答えがない…情報求む。 更に不透明その2であるが…何ともう一曲入っている!しかもノーアナウンスなのでデータ不明…いいのだろうか?音としては展開やベースラインが「Singularity 2005」に見られることから、これが原曲「Singularity」かもしれない。上モノはテックハウスに近い音なので、思いのほかはねた音。ちょっと前のハッピー系ワープハウスとかと相性良い感じだ。
 最近、特にDuMondeはコラボが多いのでこういうのもありだ。なんせコラボ負けしていない壮大な展開なので良くも悪くも予想つくだろう。
We Are All Here Together


artist:Perpetual Motion
label:Mondo Records



 今回からはメジャーな所を一部だけ見せる楽曲を紹介しよう。ちょっと判らないカテゴリ分けだが(汗)…ニヤリとできるネタを提供していこうと思う。初回はPerpetual MotionWe Are All Here Togetherをご紹介。当然、この曲のアーティストとしてワールドワイドに知られている。その後もリミックスワークにとどまらず、かなりの良質な作品を出しているのだ。では早速MIXを見ていこう。
 まずはOriginal Mix。曲自体はどこかで聞いたことあるフレーズをメインにおき展開していく。私も元ネタが判らないのだが、なんとなく聞いたことあるフレーズが歯がゆい…。展開自体はどちらかというと古めのワープハウス。曲調自体は明るめ且つ、インストなのでプレイの序盤には非常に使い易いだろう。「聞いたことあるな〜」というサウンドということは、クラウドも乗り易そうなので、長めにだらだら使っても効果はあるだろう。続いて、Dub Mix。こちらは展開自体はOriginal Mixのまんま。だが、音全体にシンセのフィルタがちりばむためキラキラ系サウンドとなっている。そうは言っても作り自体は鉄板構成なので、突き抜ける感覚が存分に味わえるメイン向けのサウンドになっている。そしてJohn O'callaghan Mix。そしてこちらも展開は同じだが、音的にはOriginal MixとDub Mixの中間の派手さを持っている。よって持続に面白いサウンドとなっている。お分かりだろうか?展開こそ同じだが、使い勝手が全く違うアツイ一枚となっている。デッキに入れておいて、フィーリングで使い分ける楽しさが存分に味わえる一枚だ。
 ちなみにこちらはMondo Recordsの15番。ここのところリリースがそろってきて面白いレーベルだ。
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