Ilice's Review (29)
Aurora
artist:Carlo Resoort
label:Liquid
今回はCarlo ResoortのAuroraをご紹介。4 Stringsのメンバーの一人であり、最近ソロ活動も目立ってきたCarlo
Resoort。リリースは当然Liquidからで、内容は二曲入りEPとなっている。では、早速MIXをみていこう。
まずはAurora。タイトルからして綺麗好きは買いっぽいが、もちろん期待は裏切らない!前半は少々重くてハードなベースライン。ハードダンスほどではないが、ずしりと来る感じ。上モノが被さってくるとトランスらしい展開となってくる。ブレイクへのアプローチは音を重ねて行ってのブレイク。よって、派手なブレイク開けではないのでピークタイム以外で使える曲。決して目立ちはしないがバランスよく使いやすい良曲だ。続いて、Friday。こちらはAuroraをアップリフティングにしたテックトランス。注目すべきはトランシーなブレイク空け!コレが渋い!!オートパンで異空性出すと浮遊感が一気にあがりアツイ!中盤も静かになったりと抑揚あるが、イントロ、アウトロ素直なので使いやすい。なんといってもプレイの〆に使うのが一番クールといえる。後半はつなぎやすく、中盤はパン振りなどのエフェクトで攻められるからだ。やはり、次のつなぎを考えずにエフェクト専念できるのは〆冥利に尽きるだろう。ただし、ラストはブッツリ切れるのでオーラスには向かないと思う…。
どちらも派手なRise'n upサウンドではない。しかし、とにかく聞きやすく浸れるサウンドであるのは確か。踊るも自由浸るも自由、エフェクトもかけやすいしつなぎやすい。更に細分化された今の時代、こういう曲こそが真の「Trance」として残るのではないだろうか?
Speed Of Light
artist:Bas & Ram
label:Skywarp
今回はBas & RamのSpeed Of Lightをご紹介しよう。SkywarpはAlphazoneによるレーベル。その大体のプロデュースに関っている。Bas
& Ramは名前通り二人組みのコンポーザーだ。今回の曲は「Resonate 5」にも収録されている。TIDYカラーの出ているDISK1に収録されているのも大きなポイント。ちなみにDISK2にもSkywarpレーベルは結構入っている。こちらはド派手曲のリミックスと絡めているので今のRise'n
upサウンドを知るのにはちょうどいい構成だ。早速MIXをみていこう。
まずはOriginal Mix。序盤はシンコペーションとアシッドベースが中心。だが一番のポイントは「Resonate 5」でもがっつり使われたメインフレーズのタイムスライスを使ったビートパターン。これがとにかくかっこいい!!そこからブレイクに行くのだが、二枚使いやPCベースDJなら、このビートパターンを攻めてから行くのも気持ちいい。後半のサウンドは割りと普通なだけに、ここは利用したいところだ。続いてGeoffry
Whiteman Mix。 こちらはスピード感あふれる(実際少し速め)ハードトランス。しかし音的には先ほどのビートパターンなどの遊びがないので派手なだけで少々使いづらい…。逆を言えばただただ派手なので全開ピークタイムの持続にはいい。この辺はやっぱり使いようだろう。
トランス冬の時代のようでしっかりレーベルも出ている。まだまだ面白いところだ。
Sustain
artist:Ronald Van Geldren
label:Tsunami
今回はRonald Van GeldrenのSustainをご紹介しよう。Tsunamiから2003年リリースしたのがこちら。Tsunamiの急先鋒Ronald
Van Geldrenよろしく、かのPriceedを踏襲したRise'n upサウンドになっている。ここはレーベルカラーを上手く出していると捉えて良いだろう。早速MIXをみていこう。
まずはOriginal Mix。良くも悪くも正にTsunamiのサウンドといってもいい(無論誉めている)。前半からして絡まったイントロは、回顧主義をぬかしてもピークタイムのトランスの真骨頂を聞かせてくれる。当然、そこから積み重ねてのブレイクとブレイク空けは王道に忠実だ。ブレイク空けの音使いはSunset
on Ibiza(Above & Beyond Mix)に似ている。よって、使い方としてはブレイクとその周りへとおのずとみえてくるだろう。続いて、Ronald
Van Geldren's Eye For An Eye Mix。長いタイトルだが、本人のRemixというだけで面白みが出てくる。出来としてはこちらのほうが面白い。主に手に入れたのはベースライン、クラップを多用して浮遊感を出している。更に面白いのはブレイク周りのライン!スネアドラムを刻んでいれる、フュージョンに使うパターンだ!ブレイクビーツとして使いたくなってくるが…ブレイク明けはOriginal
Mixとほぼ同じという…そこが使い道微妙だ。多分、ここらでMIXタイトルに絡ませているのだと思う…詳細不明だが。
Tsunamiは安定した使い道がある。中古での入手も総じて安定感あるのでお薦めだ。
Endorphin
artist:C-Quence
label:A State Of Trance
今回はC-QuenceのEndorphinをご紹介しよう。A State Of Tranceの50番ということとなれば、レビューしないわけにはいかない。中身もかなり濃く、自信を持ってお薦め出来る!では早速MIXをみていこう。
まずはOriginal Mix。イントロで気になるのは四つ打ちではないこと!なんと2-Step…しかし聞いていると音が馴染んで四つ打ちに戻ってくる、いわゆる「2-Step
Pop」サウンドだ(beatmania IIDX 10thStyleの「Back Into the Light」が上手い出来なので参考にどうぞ)。使いづらいようだが、そのままのタイミングであっさりつなげたりするのが面白い。当然、乗っかる音は正にダッチな超美麗シンセサウンド!!繊細にまとまったこのサウンドはやはりこのレーベルの真骨頂!!2006年になってもこのサウンドはまだまだ終わらないっ!!続いてhydroid's
Breaking The Law Remix。何とも挑発的なリミックス名だが、やはり作りも挑発的。Westbumの名曲をもろにパクったベースラインを使い、意欲的なブレイクスに仕上げてある。ブレイクは心地良いリズムパターンが自然と聞く側にリズムを取らせる。ブレイクスではリズム浮遊感でハイになるのがたまらないのをよく分っている…。上ものはトランスなのでDJ同士のつなぎにはもってこいと言えるだろう。
最後にArizona Remix。Original Mixが2-Step Popに対し、こちらは四つ打ちの正統派トランスに逆戻りしている。しかも、音作りはどう聞いても2000年辺りのArminらが紡ぎ出していたサウンド…そう常に最新進化するのではなく、先祖返りしたサウンド!昔のサウンドと、最新のを全く違和感なくつなげる掟破りのリミックス!!かくいう私も聞いてて以外さに手を叩いてしまった!なつかしついでにSomeoneなどを聞いてしまった。
LangeのDrifting Awayの各リミックスが大好きな人なら、特に自信を持ってお薦めしたいところ。他にも使用感がばらけているため、マルチトールな使い方の出来る一枚。自分のスタイルを広めるためでもお薦めだ!
The Love We Lost
artist:Tiesto presents Allure
label:Maelstrom
今回からは久々にTranceを攻めていこう。久々ついでにTiestoネタをご紹介しよう。発表自体は少し前、今か今かと言われていた、Tiesto
presents AllureのThe Love We Lostであるが、最近しっかりリリースされた。音的にはアテネオリンピックで使われたような音使いで、ハードトランス好きにもプログレッシブ好きにも受け入れられる感じだ。ではMIXの方を見ていこう。
まずはOriginal Mix。やはりは持ち味の重いベースラインが目立つ。かのFlight 643で確立した曲調といえば早いかもしれない。前半の使いやすさはさすがの一言!この辺は自分のプレイリスト次第でいくらでも使えるはずだ。手持ちのハードトランス、プログレッシブハウスと合わせてみても面白かった。そして、何より真ん中では長めのブレイクが存分に浸らせてくれる。持続にも転換にも使えるという、さすがのオールラウンドさは実力のなせる技だろう。今回はこちらの試聴を作ったので参考にどうぞ。続いて、Tilt
Remix。こちらはTiltの手が加わって、トランス色が強まった。構成的にもOriginal Mixのブレイクで目立ったヴォイスが全面に被さり神秘的な雰囲気を醸し出している。さらに後半はバレアリック色が強くなるため、朝方に使うのには最適といえる。
総じてこれぞトランスという一枚といえる。
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