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IliceとR3が同じ曲を、アナログとCDSに分かれてレビュー対決します!


Saltwater

artist:Chicane
label:xtravaganza Recordings
Ilice'sR3's
 今回はChicaneSaltwaterを管理人両サイドからレビューして行こう。この曲ももちろん彼のアルバム「Behind The San」に収録されていることもありオリジナルは1999年であるのだが2003年になり突如再リリースされた。私の方はこちらの再リリース番に絞り見ていこう。まず気になるのはTV Theme for 'tourism Ireland'とでかでかと書いてあるとおりむこうの番組のテーマ曲として使われたのは疑いの余地はない。ただどういう番組であるかはこれまた不明…タイトルからはアイルランド中心の旅番組だろうか?まぁアイルランドを感じられるケルト要素のある曲であるのも確かなのでそう考えると納得は行く。ではMIXのほうを見ていこう。
 まずはOriginal Mix。Chicaneといえばバレアリックサウンドと連想されるだけあり無論このSaltwaterも例外はない、中でもこのSaltwaterをChicaneの中で一番の曲にあげる人も多い。ゆっくりとした雰囲気の中聞こえるのは切なくも美しいMaire Brennanのヴォーカル。それに組み合わされるコーラスもいい!またこのMIXで面白い所は真ん中で一瞬無音があり、そこで一気につないだりするという使い方も出来る。終わりのほうに向かえば向かうほどテンションは高くなりラストの方ではハードなドラム音もはいってくるので割と使い方はマルチ。朝方使うなら前半を、うまくドラム音を絡められる曲があるなら後半を使いたい。私的には「Symmetry/Brainchild(Lange Breakbeat Remix)」なんてオススメだ。そしてこちらのメインとなるThe Thrillseeker Mix。やはり色々な所で話題になるだけあり使えるMIXとなっている。Original Mixよりも気持ちテンポも速く疾走感ははるかに増している。ポイントは二分から始まるブレイクの入り、ブレイク明けだからといってシンセとかでまくし立てるわけでなく、Saltwaterのもつ本来のメロディをドラムが生かした落ち着いたブレイク明けになっている。その後にくる二度目のブレイクではヴォーカルを生かした作りは繊細なリズムという物を肌で感じることが出来る。正に鳥肌もののMIXではあるのだが使い方はやはり朝方や締め際と限られてしまう。もっとも先に書いたようにオリジナルは1999年であるのにいまだにMIXが出るあたりは末永く使える曲となった証拠である。かのCOMMUNICATIONのように名盤中の名盤になりうる曲である。余談だが、CDSにはこちらのアンビエントMIXがあるようで非常に気になるところだ。今回はこちらのThe Thrillseeker Mixの試聴を作ったので参考にどうぞ。
 関係ないがジャケに瞳がないとXtravaganzaらしくない…はずなのだがなんかあんまり違和感を感じない。'tourism Ireland'の番組のイメージと明記もされてあり、番組自体見たくなってくる。やはり番組のスポンサーはXtravaganzaなのだろうか?気になる所だ。
 Ilice氏とのレビュー対決第二弾は、バレアリックサウンドを語るには絶対に外せないChicane の【Saltwater】をチョイス!どうやら全Mix手元にあるようなので、簡潔にご紹介〜。
 まずはとにかくOriginal Mix!ハウスに近いシンプルな4ッ打ちに存在感のあるベースライン、バレアリックな音色のアルぺとリフ、そしてMaire Brennan かすかに触れる指先のような優しく美しいVo.とコーラス...最高です。真ん中だけ少し硬めのベース音を入れたり、アウトロを2step系リズムにしたりといろいろ聴かせてくれます。次にTomski vs Disco Citizens Remix!こちらは見て判るとおり半分は自己Remixで、Originalより少しBPMが高くキックもベースも重い、少しフロア向けの仕上がり。OriginalにはなかったシンセのロングトーンにアルぺとVo.が重なり、効果的に盛り上げます。サビ前に1or2小節の「溜め」が入るのも巧い!かと言って変にキラキラしてるわけでは全くない、Originalの素材と雰囲気を活かした良Remix。そしてThe Thrillseekers House Mix!House Mixとは言ってもいわゆるハウスではなくれっきとした?トランス。Tomski vs Disco Citizens Remixと同じくらいのBPMだけど全体的に硬めの音で、そちらとは対照的にリフを前面に押し出したRemix。後半のブレイクはロングトーンとVo.のみで始まり少しずつ音を増やしていく巧過ぎる作り!これはもう、否応無しに感動させられます!!音的にはキラキラなハズなんだけどミーハー感の全くない、こちらもOriginalを活かしたフロアライクな良Remix。あとはThe Thrillseekers Ambient Mix。最近('03)になってリ・リリースされたシングルにThe Thrillseekers House Mixと一緒に収録されたものだけど、実は'00リリースのChicane のアルバム〈Behind The Sun〉に収録されてる【Saltwater (The Thrillseekers Remix)】と同じ曲。Remix名のとおりダウンテンポのアンビエントで、ストリングス・ピアノ・フルート等とシンセリフとVo.・コーラスの全てが折り重なり絶妙な美しさを醸し出してます。要所に入るイルカの声と波の音のSEで、目を閉じるとまるで海に浮いているような感覚に包まれます...。疲れた時に聴きたい曲No.1。最後にMothership MixMothership = Max Reich という事で、ハウスやアンビエントを手掛ける彼らしい、美しいバラードに仕上がってます。もう、溜め息しか出ません...Vo.を堪能したい人にオススメ。
 今回レビュー書くに当たってChicane のサイトをいくつか見たんだけど、どのサイトでも何故か新曲【Love On The Run】以外のほとんどのPVは見れなくなっていた。そう言えば【Love On The Run】はxtravaganzaからは1枚も出てないし、版権の問題でも発生したんだろうか? 折角【Saltwater】のPV見れると思って喜んだのに〜(泣) ただの一時的なものだといいんだけど...早い復旧を願います。 ('03.06.05)


Galaxia

artist:Moonman
label:HEAT Recordings
Ilice'sR3's
 R3嬢との対決企画にはこちらMoonmanGalaxiaを選んでみた。MoonmanがFerry Corstenだということは周知の事実であろう、この曲のリリース2000年ぐらいをピークにREMIXにもMoonman名義を使っている。Ferry CorstenではあるがSystem F名義よりも音は暗めなので、Moonman名義の方が全体として使いやすいとも聞く。ではMIXのほうを見ていこう。
 まずはOriginal Mix。なんとOriginal Mixに関わらず4分程度しかない!初聴きでは「Radio Editか?」とも思った…。オープニングは神秘的なホールシンセに少しづつスネアがのっかて来てそれからドラムとなる。そこから少しづつ音が重ねられ全体的にどんどん荘厳な雰囲気になってくる。特徴と言えるのはまずブレイクがないこと、4分程度ならいっそいれずに全部使えということなのだろう。さてどう使うかというとまずひとつは締めに使う方法、実際これは本人のプレイの時やっていた。もうひとつは二枚使いで他のMIXと使う方法、HIPHOPでは常識だが同じレコードを二枚用意して即興でMIXするもの。かなりのテクニックが必要だが、やり方をシーケンスベースで考えれば取り込んで素材にしやすい曲だといえる。続いて、Solarstone Remix。SolarstoneによるREMIXで正直GalaxiaのMIXのなかでもっとも有名。トランスフリークの中では最高傑作との呼び声も高いMINISTRYのTRANCE NATIONシリーズのFOURにてFerry Corsten自身もこちらをチョイスしていた。Galaxiaの音をふんだんに使い、9分弱のしっかりしたトランスに仕上げてある。しかし、Original Mixの音をはるかに飛ばしているわけではないので、やはり使いどころは締めとなるだろう。無駄な盛り上がりもないので持続を踏まえて締めへと使いたい。そしてBRITTANY REMIX。オープニングから二度打ちのクラップがあるなど今までになく怪しいが、私の一押しのMIXはコレ。曲が進むとドラムロールがあり、そして一瞬の静寂。するとGalaxiaのメインフレーズのピアノでの単打ちが入る。ありがちながら実に良い!そして程よいリバースシンバルとともに挿入されるのはGalaxiaのヴォーカル版のサンプリング、これが非常に印象に残るのだ。今回はこちらの試聴を作ったので参考にどうぞ。
 当時としては結構あくが強い曲だったのであんまり目立った人気はなかったが、今回改めて聞いてみると意外とさらりと聞けてしまう。クラブミュージックをするめに例える評論家がいるが実に的を得ていると思う。噛めば噛むほど味が出るからだ。
 Ilice氏とのレビュー対決第一弾はこちら、Ferry Corsten の数ある変名の一つMoonman の【Galaxia】をチョイス!元は'96にGo For Itからリリースされ(ライセンス元はSCI-FI/NATIVE DANCE)、その後'97にHEATからもリリース、更に'00にHEATからNew Remixを加えてリ・リリースされて、その上また'01にGo For Itからもリ・リリースされている、息の長〜い名曲。今回Ilice氏と私がレビューに使用したのは'00リリースのHEAT盤。お互いに同じ盤しか持ってなかった...。ジャケも同じで、左下にHEATマークが入ってるのがアナログ、ないのがCDS。花火らしきジャケがタイトルにぴったり♪
 ではMixを。まずはSolarstone Remix!凝ったパーカスとこの頃のトランスに多いリズムの太いベースライン、開放感のあるロングトーンのシンセメロディやリフ、アルペジオ、SEが融和し、しかも各音色にエコー・ディレイ・パン振り等のエフェクトが細かくかけられてて、壮大な宇宙の輝きと広がりを感じます。MixCDに収録されてるのはだいたいこのRemix、確かに踊るにも聴くにもイチオシ!続いてGALAXIA Vocal Edit先のSolarstone RemixにChantal Matar という女性のVo.が乗ってるもので、プロモ盤は知らないけど正規盤では、HEAT盤のCDSにのみ収録されているオマケMix。元が2:56しかないのでMixに使うのは正直難しいと思うけど、伸びのあるサビのVo.「You〜&〜Me〜」部分がイイ!サビ以外の部分も後乗せVo.モノとしては無理なくすんなり聴けるので○。そしてスネアの8分刻みが特徴的なOriginal Mix。シンプルなビートと超低音のベースにビブラフォン(だっけ?)のような暖かい音色のロングトーン、ストリングス系のアルペジオ。そこに例のメロディーが重なっていく。さすがに'96産だけあって音色が古い印象を受け、しかも全体的にシンプルなので最初は物足りなく感じるけど、聴きこむうちにだんだん馴染んできて癒されます...。Mixに使うなら、低音切ってウワモノだけを使うとか、BPM下げてChill-Anbientとして使うのも面白いかも?って、難しいか...。
 それにしても、Ferry Corsten が直接関わったプロジェクトの多さには本当に感心するばかり。ソロとユニット合わせて確認できるだけでも...17?それにプラスしてTSUNAMIのアナログでの単発リリース分とRemixワークを考えると...とんでもない数の製作に携わってる事になる。さすがと言うか何と言うか...。ちなみに私とIlice氏が紹介した他にも、Dj Errik Remix・Quattra Mix・Crimson Dawn Remix・Darbucca 's Morning-Light Remix、が存在する。かなり聴いてみたいけど、古いものだし無理でしょうね〜。なんたって'96だし...。 ('03.04.27)

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