Ilice's Review (23)



20000 Hardcore Members


artist:Ed Read & The Coalition
label:tidy two



 今回はEd Read & The Coalition20000 Hardcore Membersをご紹介。2004のTidy twoはこれが注目No.1だったろう。元々ハードハウスレーベルを渡り歩いたEd Readとその一派が遂にTidyに殴りこみ!しかもその意味深なMIX名でUKではリリース前からかなり話題になった一枚だ。では早速MIXを見ていこう。
 まずはOriginal Mix。オープニングからニヤリとする!リズムパートがあの曲そっくり!しかし重い!オマージュとして取るかリスペクトと取るかどうとでも取るか…組み合わせ考えるだけでもゾクゾクしてくる。実際は全体的にダウナーのハードハウスに聞こえるがそれでいてBPMは140…上手い!とにかく上手い作りだ。所々で入るMCのシャウトが笑えるしアツイ。ただ正直言うとここまで上げてきたハードトランスと組み合わせは難しい。前半の構成やだらだら流す時などに向くのではないだろうか?むしろプログレやハードダンスとハードハウス組み合わせる人に向いていると思う。かなり考えないといけない火傷するMIX。…だが派手好きはこちら、Escape From Riot Mix。セルフMIXだがこれを約すと 「ゴタゴタから逃げた」という事になる…なにやらかしたんだ??展開は変わらないがなんと曲調がライトなサイケ!!サブレーベルのこちらでも発揮した強烈な疾走感とうねりのあるベースとシンセ!最初は強烈過ぎて声も出なかった…。当然ゴア・サイケやるなら持っててもいいし、ハードトランスと組み合わせても相性ある。
 ここまで見てきてびっくりするのはさすがレーベルでパーティーやるだけあり、tidy twoは盛り上げに上手く使うとともに違うMIXも織り交ぜている所。それでいてMIXCDも出すから全曲コンプしたくなる…日本人の心掴みすぎです…。
Liberate / Here Comes The Pain


artist:Lee Haslam
label:tidy two



 ではLee Haslamの今の曲、Liberate(EP)をご紹介。とにかく日本への入荷数が多くそこらじゅうで売っているので見かけた方も多いだろう。@社のサイバートランスにも収録されているが、メインは当然Resonate 4に収録されているという事!ちょうどDisk one の10曲に収録されており、丁度二番目の盛り上がり最高潮での選曲だ。MIXをしたLee Haslamが相当力いれているのが感じられる。では早速見ていこう。
 まずはLiberateから、昔高校で習った単語で「自由への開放」という意味である。でもその割には放送禁止用語連続でいいのかな?と思う…。前半は割とねちっこい四つ打ちにベース、その割りにかなりシンプルなので最初から使うなら楽々につなげられるだろう。怪しいのはその汗臭いヴォーカル。それが無音ブレイクを席巻、しかし「またゲイか?」と半ウケで聴いていると、超強烈なブレイク明けが襲ってくる!メーターが一瞬振り切れるほどのゲインと勢い。まさにハードトランスの醍醐味を存分に味合わせてくれる!ブレイクはその一回に留められており、使いどころとしてはメインオンリー。そのためこれと決めて行かないと使うことはないだろう。これだけ入荷多いので今から使うのは難しいかも知れない。続いてカップリングはHere Comes The Pain(Euphony Remix)、原曲は同氏の2002年のハードハウス。ほとんどハードトランスに作り直しているのだが原曲のワープサウンドやシャウトなどもちゃんといれてあり知ってる人はそれと解る構成だ。ブレイクはあるが、原曲のワープサウンドと絡み目立つ明けではない。Resonate 4ではDisk twoの最後に使われているだけありラストとして使うとしっくり来る。ラスト以外にも持続にも使えるのでこちらの方がLiberateより使い易いだろう。
 どちらもある程度ピッチアップして使うことが多い。この辺はハードスタイル全般の共通事項なのだが…最近は試聴の時点でピッチアップしたままの人が多すぎる気がする(特に○○○Part2)。いいのかな…?
Music Is The Drug / Your Serve


artist:Lee Haslam
label:tidy two



 今回はtidy twoの少し昔の曲、Music Is The Drug / Your Serveをご紹介。2002年の発表でジャケも前世代のデザインであるが、Such A Good Feelingと並びtidy twoの誇る名曲であるので是非ご紹介しよう!まず、なんといってもそのインパクトのあるジャケがアツイ!錠剤全てにtidy twoのロゴが入っておりちゃんとビンの中にはモーフィングをかけて歪ませている。実に丁寧なアートワークだ。上記の写真では画像を落としてほぼ見えないがBen Thomas氏のサイトでも見ることが出来るのでチェックしてはいかがだろうか?ではMIXを見ていこう。
 まずはMusic Is The Drug。オープニングからドラムロールを多用しアゲアゲの雰囲気満載だがそこは確信犯!なんせ音が重くチャラチャラした上物など存在しない!この辺が日本の某どうしょうもないレーベルとはポテンシャルそのものが違う。ハードトランスの醍醐味ブレイクは一瞬の無音の後怪しいボイスが絡み、そこから打ち付けるようなメインが飛び込み最高潮へと達する。セカンドでも同じ絡みだがこちらではドラムラインを残したブレイクなのでそのまま使ったほうが効率いいだろう。アウトロもドラムロールあり、他のロールとユニゾンさせればお手軽につないで持続できる。流石にメイン向けの曲だが持続考えるとこの後ろに本当のメイン持ってくる使い型も面白い。そういった意味ではゲストに呼ばれた時やレジデントとして盛り上げ担当する時などの切り札的使い方に限られてくる。続いてYour Serve。こちらはびっくりするお笑いハードハウス。一度聴いたら忘れないのがその上物、なんとピンポン玉の音でリズムを刻んでいる!!コレが妙にトライバルで合う!そのはねる音が途切れると「OK Your Serve」とボイスが入る作り…。タイミング的にすっぽ抜けててどうしてもウケてしまう。後半はTIDYらしいフレーズになるのであんまりしつこさがないので他のUK ハードハウスとつなげるといいだろう。しかしここまで行くとアテネ五輪ベスト16の泣き落とし卓球選手の「てぃぇぅぇんっっ!!」という奇声もサンプリングして入れたくなる感じだ。
 表裏でかなり感じの違う一枚なのでマストになるか要らないか両極端のピーキーな一枚だ。
P01nt Blank / Hate Th30ry


artist:Wid & Ben
label:tidy two



 今回はWid & BenのEP、P01nt Blank / Hate Th30ryをご紹介。Wid & Benというと2003に強烈トラックAbsolutionを出したので有名。私も入手するために足しげく渋谷に通ったがそれでも買い逃した経緯がある…。今回の曲はその流れを汲む感じで、らしさが存分に出ている。早速MIXのほうを見ていこう。
 まずはP01nt Blank。オープニングはシンプルだがイントロの入りはAbsolutionに酷似している。だんだんに音が重なっていき銃のマガジン換える音のシンコペーションが絡みブレイクとなる。そのブレイクが今回は強烈!!長い台詞とマシンガンの音、なんとマシンガンの音がどんどん規則性を持ち、なんとドラムロールとなってしまう!!そこから強烈なフレーズが押し寄せてラストまで突っ走る。ハードトランスというよりはハードハウスっぽい作りと構成だ。Absolutionを買い逃した私には十分代用が効く嬉しいトラックだ!続いてHate Th30ry。こちらも作り自体は前者とほとんど同じ。しかし音の哀愁色が強くなっていてだいぶ感じが違う。それでもブレイクは特徴的!長めに取って台詞が入ったり、グロッケンの単打ちが入ったりと面白い。そのおかげでブレイク明けはやっぱりラストまで突っ走れる。どちらも使い方としては台詞ネタが入っているあたりでピークタイム前半の山場用。やっぱりAbsolutionと使い方は同じといえる。
 しかしこのジャケのロボ…「ワンデーアキュビュー」とか刻印が…コンタクトレンズかよ!!!
Malice In Wonderland


artist:Pants & Corset
label:tidy two



 今回からはハードトランスといえばココ!tidy twoに絞って紹介しよう。tidyのシリーズでもハードトランスに絞り、そのBen Thomas氏の特長的なジャケットが人気のシリーズだ。最近はジャケットにカタログナンバーが書いてあり、初心者にも管理がやり易い。実際日本でも強烈な人気があり、アナログは渋谷でも基本的に奪い合いの状態だ。私も出来れば全部欲しいのだが、買い逃しもあるのが残念だ…。今回はPants & CorsetMalice In Wonderlandをご紹介。この辺から強烈に音がヤバくなってきたのでコレから紹介していこう。早速MIXを見ていこう。
 まずはAzure Remix。AzureはPaul Maddoxの変名である、この名義では割とプログレよりだったり実験的試みをしたりもする。今回はおとなし目のトランスで攻めてきている。BPMも135前後でパッド中心のシンプルな構成。ブレイクは丁度曲の真ん中なので一曲使わなくても上手く使えるだろう。普通にトランスの選曲の中に入れていくといいだろう。CISCOのレビューではあまりいい評価をされなかった。続いて、Steve Blake & Phll Reynolds Remix。MIX CD、Resonate 3にも入っているし、ベスト盤でもあるKeep It Tidy 4にも収録されている。既に2004最強のハードトランスの一つに上げられる!ハードハウス的アプローチから来るオープニングに強烈なシンコペーションが入る前半からして既に最強クラス。リバーブなどかけると強烈にフロアを蹂躙する。ブレイクはじわりじわりと盛り上がる王道スタイル。メインフレーズと絡み合うドラムループの盛り上げはマジ鳥肌!メインのピークタイムに持ってきて然る曲だ。どちらのMIX CDも中盤以降の美味しい時間に入っているのも注目だ。
 実はこれ書くまでこの曲のタイトルを「Miracle In Wonderland」と勘違いしてました…。良く見るとジャケも「不思議の国のアリス」のオマージュだった…。オロカ…。
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