R3's Review 10
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手元のCDから、私のお気に入りをセレクト♪ 《女性Vo.メイン編》


ジャケ


Walking In The Sky
DJ Encore feat. Engelina



 今回は'02リリースの曲をご紹介。作曲・プロデュースからエンジニアまでこなすDJ Encore とVo.のEngelina は共にデンマーク出身。DJ Encore(本名Andreas Hemmeth )は クラシック演奏家の父親・音楽教師の母親を持ち、小さい頃からピアノとギターを習いつつDTMもいじり、10代の終わり頃には3つのクラブでDJing、しかもそれが アブストラクト・レイブ・テクノ・トランス・ダンスポップなど多岐に渡る というのだからスゴい! Engelina は元々ジャズやR&Bで活動していたんだそうで、何だか随分とかけ離れた組み合わせな感じ...。彼らの2ndシングルであるこの曲は、同年の1月にリリースされた1stアルバムからのシングルカットになっている。ちなみに1stシングルは'01リリースの【I See Right Through To You】、こちらもヨーロッパでかなりヒットし デンマークのTV番組のテーマ曲にもなっていたようです。
 私のお気に入りはOriginal Extended 音的にも構成的にもシンプルめでポップ寄りなトランスだけど ウケ狙いのような嫌味が全くなく、歌詞やメロがもぅドリーミーで爽やか路線まっしぐら! 2ndブレイクの音使いは特に秀逸で、ほとんど目立たないちょっとしたアルペなのに 本当に空の上にいるような浮遊感を醸し出してます。ただ5分26秒と短いのが気になる...Editされてるんじゃないかとも思うけど実際どうなのかは不明。でも この路線なら下手に長くするよりもこのくらいの方が使いやすいし、気にする程でもないか。次にFuture Breeze Club MixFuture Breeze といえば日本でも'01に【Temple Of Dreams】がヒットしたので覚えてる人も多いと思うけど、このRemixはそれよりもだいぶ丸くなったというか 良い意味で間口が広がった感じ。まぁ'01頃みたいなハードな方が好みって人もいるだろうけどね。Originalよりもちょい硬めでシンセバリバリのトランスらしいトランス。他にal B. rich Breaks Mix、Originalのイメージを割と素直に継承してブレイクスのリズムに乗せた感じ。ブレイクスに馴染みがなくても聴きやすいけど ブレイクスとして使えるかどうかは微妙かも...。あとはDJ Asle Breax Extended、ひたすら同音程のベース音上にVo.やシンセが展開するのが面白いと言えば面白いけど、多分こういうの嫌いな人も多いのでは。このテクノっぽい音が、微妙にUNDERWORLD の【Rez】に似てるような...。最後にAcoustic Live、静かなピアノの伴奏と表情豊かなVo.、最後に拍手と歓声が入ってるのでLive感たっぷり。イスが軋む音も入ってるのでちゃんと生演奏ですね、って事は弾いてるのはDJ Encore 本人かな? 心に沁み込みます...。
 にしても最近色んなものが聴けるようになってきたなぁ...。この曲も買った当時はポップ臭くて好きじゃなかったんだけど。好みって変わるモンですね〜、自分でもびっくり! ('05.10.15)



ジャケ ジャケ


HARDLY A DAY
QED



Single List


 「手元のCDから」とか言いつつアナログも出てますがお気になさらず(笑。今回は'02リリースの曲をチョイス! QED はVo.のKristine Hendricks と作曲&プロデュースを手掛けるValentin (Vo.も務める)の2人組みユニット。別にトランスだけを作ってるワケではなく、'03の終わり頃リリースされた1stアルバムはユーロダンス〜トランス?〜バラードまでと普通にダンスポップな内容らしい。...なんだか某K室を思い出すなぁ(笑)
 まずはアナログにのみ収録のOriginal、軽くボコーダーのかかった女性Vo.で Aメロ・Bメロ・サビ×2回+サビのリフレインというという耳に馴染む構成。1番のVo.が入るとバックのベースラインとロングトーンが消えてシンセリフとキックだけになり Bメロの途中から他の音色が加わっていくのが少し珍しく、引き込まれます。波のように繰り返される『Hardly a day goes by...』というリフレインもまた切ない...。CDSに収録のRadio Editではリフレインが減ってるもののリスニングなら充分、ユーロダンスも好きならこちらをどうぞ。次にKid Vicious Remix、同音程で鳴り続ける極低音のベースラインや全体的にダッチな音色が彼らしい。Originalとは違い Aメロ・Bメロが同じベースライン上に展開する作りはVo.モノにはぴったりで、ベースラインが動き出した時により強い印象を与える。Vo.のボコーダーもかかってないのでボコーダー嫌いな人や、Originalよりも派手めでトランスらしい音色が好みならこちら。そしてFilterheadz Remix、Originalのサビ部分と同じベースラインをひたすら辿るディープなRemix。かと言って変化がないワケでは全く無く、残響っぽいエフェクトと細かいパン振り・Dub処理したVo.を上手く使って幻想的な雰囲気を醸し出してます。プログレのお供にオススメ!
 ちなみに上のアナログは今年になってから発見して購入したもの。Originalが欲しくてずっと探してたのに見つからず、実はもう諦めかけてたとこだった。でも案外見つかるものですね〜♪ あとはFive AMの製品盤アナログに収録のOriginal Instrumentalってのが気になるけど、そこまで望むのは欲張り過ぎってモンですね(汗。そうそう、上記1stアルバムには別RemixとValentin のVo.による別バージョン(歌詞も違う)も収録されてます。気になる人は探してみては?ってか私が欲しい...。 ('05.07.25)



ジャケ


Heaven's Earth
D E L E R I U M



Single List


 DELERIUM と言えばリミキサーにDJ Tiesto を起用した【Silence】(クドいようだけどレビューはこちら)が大当たりしてトランス界でも一躍有名になったけど、その次、同年にシングルカットされた今回の【Heaven's Earth】もリミキサーにMatt Darey を起用して美味しくヒット! ある意味勝ちパターンな感じはするけど、リミキサーによる調理法(?)の違いが聴けて面白い面も。
 そんなワケで、オススメはやっぱりMatt Darey Remix 彼らしい疾走感溢れるトラックに美しいピアノのメロディーと細かく上下するアルペジオが何とも言えずぴったり! そこに絞り出すようなねちっこいような独特のVo.が入る。Album Versionではほとんど使われなかったVo.の1フレーズをサビのメイン部分に持ってくるあたりが大胆かつ精巧。あのAlbum Versionをここまで哀愁ばりばりメロディアスにするとは...さすが! ちなみにDELERIUM のサイトに行けばMatt Darey Remixをフルで聴けます、右上のSingle Listからどうぞ。あとMatt Darey Remix Dub。こちらは先のMatt Darey RemixからVo.を抜いたインスト曲。でも元々完成度が高いので物足りなさもなく普通に使えます。そしてKey South RemixMatt Darey Remixよりも遅めのBPMで、かなり怪しくダークな感じのRemix。こちらもVo.の使い方が巧い! 言葉尻に覆い被さるように次の言葉が入るのが、追い立てられるような焦燥感を産み出して不思議な感覚。
 ちなみにこのCDS、紙ジャケで2枚組。しかもCDを固定する部分も紙製! アナログみたいに上からCDを入れるタイプやジャケは紙製だけど中はプラスチックといったタイプならたまに見かけるけど、外も中も全部紙製ってのは初めて見た。地球に優しい? ('04.01.18)
リクエスト by Nanashi様...Thank You!



ジャケ


THE FREE FALL
BEAM & YANOU



Single List


 毎度お馴染み(?)ドイツのZOMBA系列のePark musicから'01にリリースされた女性Vo.シリアストランス。これ以前のドイツドイツした曲からいきなり方向転換してユーロ寄りになったので、最初はすっごく驚いた。Beam はソロよりCyrus と組んでのリリースの方が多く、それなりにヒットさせてるアーティスト。Yanou DJ Sammy & Yanou 【Heaven】のヒットで知名度が上がったので、知ってる人も多いハズ。その後【Heaven】と同じVo.を起用した【On And On】をソロでリリースしたけど、そっちはどうなんでしょ? ちなみにこのレビュー書くために調べたところ、「出てないだろう」と何故か思い込んでたライセンス盤(Alphabet City盤)があるのを発見!しかもRemixはJohn Johnson Jacob & Mendez! ヤバい、欲しい、欲しすぎる〜!! あまりに欲し過ぎて夜も眠れない(大げさ)! 私この曲が大のお気に入りで、2〜3ヶ月に1度は聴きたくなって3日くらいはどっぷり浸かってます。さすがに厭きるけど、何故かまた数ヶ月後には聴きたくなる不思議...。
 まずオススメなのは、実質的なOriginalと思われるThe Opus 2step系のリズムに物悲しいアコギのメロディーで静かに始まり、『The Free Fall』の声を境に4ッ打ちのアグレッシブなビートに変わる。はっきりしたベースラインとシンセリフに巧くアコギが乗り、抑えた感じのVo.が入ってくる。曲全体は10'44"と長めで、前半はどことなくDelerium 【Silence (DJ Tiesto Remix)】(レビューはこちら)に似た雰囲気(影響大と推測)。サビは2回あるものの1度目はVo.が入らずに収束して、2度目だけに入ってるのも巧い造り。そう、何と言ってもこの曲はVo.がイイ! 最初はそれこそ【Silence】のように静かに入るのにだんだんヒートアップしていき、サビではコブシの効いたアツい歌い方に! 感動〜! そしてアウトロでは何とピカルディ終止(短調の曲を長調で終わらせるバロック時代からの手法で「救い」を表す)を使ってて更に感動〜!! ...でも、ロングトーンのシンセがイマイチ不自然で、音が詰まってる割に妙にヌケて聴こえてしまうのが唯一の弱点。なのでクラブでの使用は避けた方が無難かも...リスニング向きという事で。向かい風に向かって声を涸らして叫んでるような印象を受ける、まさにVo.勝ちな曲。次にThe Exposition。The OpusからVo.を抜いた、いわゆるInstrumental。ちゃんと音を足したりして再構成してあるけど、この曲のメインであるVo.が入ってないのでカラオケのように聞こえてしまう...。Instrumentalを使いたいならCyrus Remix! こちらは良い意味でGermanテイストな、ドイツらしい裏打ちに鋭いシンセリフとアルペジオが乗っかるちょっとハードなRemixで、トランスとしての完成度ならThe Expositionより上。ただ、ベースとメロディーの音程が半音の半分くらいずれてるのが気にかかる。ま、聞こえるのはイントロとアウトロだけだけど。にしてもこの3人、よくお互いの曲でRemixしてるし、ホント仲良いね〜。
 ちょっと思った事。最近CCCDが物議を醸してますよね(ここではPCによるリッピング対策をしてあるCDを総称してCCCDと呼んでいます。厳密にはだいぶ違うと思うので、一応)。今回レビューした曲やその頃のCDSに、よく「Copy Kills Music」って印刷してあって、でも普通に出来ちゃう。意味ないな〜と思ってたんです。でも最近買ったCDSには、ちゃんとPCで認識しないし開けないし吸い出せない(PCが凍ったりもする...汗)モノもあったり。技術の進歩ってすごい...。あ、ちなみに国内産のCCCDは買った事ないので、どんな感じなのか知りませんよ〜。 ('03.05.15)

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